設立20周年記念「綾瀬市太極拳フェスティバル‘15」を開催する綾瀬市太極拳協会会長を務める 加藤 幸一さん 深谷上在住 68歳
太極拳一筋20年
○…今年で創立20周年を迎えた太極拳協会の3代目会長。協会設立初期メンバーの1人で、当時は事務局的な立場を担っていた。太極拳の普及と発展を目的にわずか3団体から始まった協会も、現在は16団体230人の大所帯に発展した。趣味としての活動だけでなく、県武術太極拳大会個人優勝者排出や、「ねんりんピック」での団体準優勝など、競技選手も育っているという。
○…太極拳に出会い20年。今では指導者として、「大極拳金陽会」で師事している。太極拳の魅力は、いくつになっても現役でいられること。「でも教える側になって、自分の未熟さを思い知った」と話す。自分1人なら多少間違えても「楽しければ」で済むが、指導となるとそうはいかない。細かい動き一つひとつを追求するほど、奥深さを思い知る。「でも、それもまた魅力の一つなのかな」と笑顔で語る。
○…東京で生まれ、12歳の時に引っ越しで綾瀬に。当時の綾瀬町役場に就職し、48歳の時に体力の衰えを感じ何か始めようと思ったのが太極拳に出会うきっかけになった。大学時代の中国語教師が見せた太極拳が記憶にあり、サークルを自ら調べ飛びこんだそうだ。以来20年、今では太極拳に携わらない日はない。「だから他に趣味らしい趣味はないんだよね」と話すが、孫の話になると途端に好々爺の表情。「可愛いんだ」と満面の笑みを見せる。
○…協会の課題は、若い世代の取り込みと競技人口の拡大。特に「高齢者のスポーツ」という印象が強いのが大きな悩みだ。「そんなことはなく、中には高齢者には出来ない動きもある」。それを知ってもらうため、今フェスでは神奈川武術隊の演武や、「対練(対戦方式の演武)」を初めて組み込むなど趣向を凝らしている。「興味関心を持ってもらい、競技人口が増えれば綾瀬全体のレベルも上がるはず」と、常に真摯な姿勢で太極拳と向き合う。