「ご当地グルメ」来年度販売目指す
綾瀬ロケーションサービスが9月30日、市役所で「平成27年度中間報告会」を行い、同サービス推進協議会の関係者らに経過報告を行った。360件を超える問合せ実績やエキストラ出演者の体験談が語られ、ロケーションサービスを支える市民有志団体「ブタッコリ〜ロケ隊(ブタロケ隊)」が開発を進めるグルメ試食も実施。ご当地グルメは2016年度販売開始を目指し、大詰めを迎えている。
この取り組みは地元に元気と活力を創出する事業「あやせパワーアッププロジェクト」から始まった。富士宮市や成田市などの街おこしに関り、国の取組みにも携わる藤崎慎一氏をアドバイザーに綾瀬の強みや弱みを徹底的に話し合い、昨年4月のブタロケ隊設立を皮切りに本格的なロケ誘致に乗り出した。
始動から1年半。「何もない綾瀬で本当に可能なのか」と手探りする中、10ヵ月で171件の問合せ、27件の撮影という実績を上げた。今年10月1日現在で問合せ360件、撮影決定48件。市内を訪れた芸能人は150人を超え、ドラマでは「ルーズヴェルトゲーム」「銭の戦争」などのほか、「アルジャーノンに花束を」で初のレギュラー物件(作品内にコンスタントに登場するロケ地)を決めている。
また、GLAYのプロモーションビデオではほぼ綾瀬ロケが実現し、PVには市民エキストラも出演している。現在上映中の映画「バクマン」でも市内の物件が使われるなど、着実に実績を伸ばしている。
「1年半でここまでの結果を出すのは、なかなか難しい」と話す藤崎氏。都心からのアクセスの良さに加え、官民一体の協力体制、窓口の対応の良さなどから、口コミで徐々に業界に広がっていったのではと分析する。これまでの実績を広告費用換算で試算すると、額は約1億5千万円に相当するという。
試食では、兼ねてよりブタロケ隊グルメ部会が開発を進めていたご当地グルメのメンチカツと、アメリカの郷土料理と地の食材をコラボさせるための新たな試作料理を提供。基地を擁する街という特徴を押し出そうという発想だ。
グルメ開発には、食材提案とメニュー開発のプロである榑谷(くれたに)孝子氏を新たに招いた。商品化に向け同氏によって「あやせぶたメンチ」と名付けられ、今回は半熟たまご入りに挑戦している。「半熟感にバラつきがある」「もう少し肉厚があってもいいのでは」などの意見を集約し、同メンチの来年度販売開始に向け調整する。