「目玉品」設け周知・集客強化
綾西バザール商店街の「みんなの広場大市実行委員会」が11月17日、今後の方針を模索するための会議を開催した。開始から2年半。会議には出店者が初めて出席し、伸び悩む来場者数と出店者数をいかにして増やし商店街活性を促進するかの知恵を出し合った。
大市は商店街組織内「事業部」に実行委員会を設置し、2013年4月の「桜まつり」に合わせ第1回を実施した。会員店舗に外部出店者を加え、毎月第3日曜朝10時から催している。
背景にあったのは、商店街の衰退。大市担当の野村耕司さんによると、全盛期には1店舗で年商1億を売上げるほど賑わいを見せていたが、自家用車の普及や郊外型の大規模店進出などで流れが変わり、徐々に人通りが減っていったという。「駅がない」という立地や、綾西地区の高齢化なども状況に拍車をかけた。
「何か手を打たないと、このままではまずい」と月に1度の定例会で議論が行われ、「朝一番徳の市」をモデルケースに「市(いち)」の開催を決定。朝市に出店していた商店会長が周りの参加者に声をかけ、5店から始まった。年間予算は商店街で捻出するなど、全て手弁当で行っている。
「まずは人を呼び戻すのが急務。とにかく内容が競合してもいいから徐々に規模を拡大し、来場者を増やすことに重点を置いた」と野村さんは話す。しかし状況は厳しく最初、市内芸能団体に依頼していたイベントは日曜午前早めな時間のため、調整が困難になった。
海老名からの来場などもあり来客増の手応えも感じてはいるが、出店者数は多少の増減を繰り返し再び5店舗に。今は採算度外視で、商店街のために動いてくれる人たちの協力で継続しているのが実情だという。
この状況を打破するため、これまで商店街の会員だけで行っていた大市の会議に、初めて出店者を招いた。外からの意見を取り入れ、市(いち)を活性化するのが狙いだ。
会議では集客の目玉を作るための外部業者招致や、イベント再開に向けた日時変更案、相鉄ローゼンの協力取り付けなど様々な意見が飛び交った。直近の12月20日の大市では各店が目玉商品をチラシに掲載し、4千枚を配布する案が採用された。
「受け皿としては充分なはず。どう特徴を出していくかが重要」と野村さん。学生や外部団体との協力など若い力を取り入れる手もあるが、テナントごとに大家が異なる上、市保有の敷地があるため一枚岩の協力体制を築くのが難しいという一面もある。今後について「場合によっては行政との連携も視野に入れ、商業活性の道を模索する必要がある」と話した。