市内大上の(株)ワイ・ケー電子(井上幸雄社長)が優良工場に、吉岡東の(株)オクト(池田彰社長)が優良小規模企業者に選ばれ、県の表彰を受けた。ワイ・ケー電子は地域経済活性化の牽引役として、オクトは小さいながら「きらりと光る技術」を持つ企業として、今後の発展に期待が寄せられている。
「現場の気付き」で成長(株)ワイ・ケー電子
1981年創業のワイ・ケー電子は、自動車・カメラ・医療など電子機器に使われるプリント配線基板の設計・製造を行う会社。財務状況や業績、就業規則、職場の安全性、環境への取り組みなどが評価され、「優良工場表彰」を受けた。
「これまで従業員全員でやってきたことが、結果に結びついた」と、井上社長は話す。同社では整理整頓など「5S」をはじめ、環境マネジメントシステム「ISO14001」や品質保証の国際規格「ISO9001」取得など、職場環境向上に注力してきた。
中でもユニークなのが、社員からの改善提案制度。褒賞制にすることで「どんなに小さな気付き」でも積極的に出せる環境を整え、社長自ら目を通し意見は全て取り入れる。これを貼り出して「見える化」し、結果を検証。次の提案に繋げるという繰り返しで、仕事の精度を高めている。
また、かつて綾瀬青年会議所で地域貢献活動に携わった経験から、かながわ海岸美化財団に所属し、海岸清掃も行っている。社員だけでなく顧客も参加するなど、意識向上とコミュニケーション拡大に一役買っているという。
「ISOも取って終わりではなく、これをいかに自社に落とし込み、応用できるか。地域のモデル工場になれるよう、これからもがんばりたい」と、井上社長は話した。
ゼロからの挑戦 (株)オクト
オクトが受けた「優良小規模企業者表彰」は、今年度新設された制度。独自の技術・工法・発想による商品化や事業化など、特筆した実績を残している企業などに贈られるもので、主軸である航空機事業などの実績が評価され受賞した。
同社の創業は2009年。自動車関連の県内老舗製造業者倒産がきっかけで、設立されたという特殊な経緯を持つ。裁判所での民事再生手続きが終わり、池田社長が非常勤の取締役としてヘッドハンティングされた。
その後、紆余曲折を経て会社を清算し、社長の人脈を駆使して社員の再就職先を斡旋。残った職人5の受け皿として、オクトを立ち上げた。当初は自動車部品の樹脂・板金加工が主軸だった。
「職人の腕が良かったから、なんとかここまでこれた」と池田社長は話す。現在は本社そばに航空機事業専用工場を設立し、旅客機のギャレー(調理室)のモックアップ(模型)製造などを行っている。
今後は、ファーストクラス用シートパネルを全て自社で作れる機械を導入し、更なる飛躍を目指す。
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