綾瀬青年会議所(JC)主催の「ネイチャーシップ2016」を実施する「ひと+人=未来委員会」の委員長を務める 中世 善之さん 吉岡東在住 27歳
父として伝える「家族の絆」
○…ネイチャーシップは、JCが長期ビジョンとして掲げる青少年育成の柱の事業。郷土愛・家族の絆・思いやりの心を育むことを目的に、8月6日〜7日に長峰の森でキャンプを実施する。前回好評だった「森の巨大ウォータースライダー」は今年も健在。協力しながらクリアーするゲームを通した参加者同士の交流や、家族の時間を考えるディスカッションなど様々な企画が用意されている。
○…誘われて入会したのは、22歳の時。東日本大震災の年だった。父親が理事長を務め、自身も子どもの頃にネイチャーシップに参加した経験からJCに関する知識はあったが、「それ以外は飲み会している人たち」というのがその頃の印象。しかし、震災復興支援活動などを見るうち「しっかりした組織」と認識を改めるようになる。「自分もここで、地域のために何かやってみよう」。今に繋がる一歩を踏み出した。
○…吉岡で生まれ育つ。祖父が立ち上げ、父が社長を務める電気工事会社「(有)中電社」に勤めるため工業高校から専門学校に進学した。「3代目シールを貼った子ども用ヘルメットまで用意してその気にさせた、祖父の教育の賜物です」と笑顔で話す。家に戻れば2児の父親。「子どもは本当に可愛い」と話す反面、JCで与えられた役割を果たすため、悲しむ我が子を背に家を空けなければならないことも往々にしてある。「ここまでやるんだから、中途半端はできない。自分が感じる『家族の大切さ』を一人でも多くの人に伝えたい」と真剣な眼差し。
○…自身の中にあるのは、子どもの頃の原風景。虫取りをしたり、友人と駆け回って遊んだ自然豊かな吉岡の情景だ。「地域の宝」としてまだまだ残る綾瀬の自然を参加者に体感してもらうため、今は準備に余念がない。「当日はやるだけなので、自分が伝えたいことを形にするには今が一番大切な時期」と語る姿からは、誠実な性格が伺える。