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綾瀬版 公開:2016年9月23日 エリアトップへ

Histry of あやせ名産品会 短期連載企画 Vol.3 籠・養豚から肉屋へ130年の歩みたどる ―(株)大久保商店―

公開:2016年9月23日

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開店当初の大久保商店
開店当初の大久保商店

 大久保商店の起源は、明治20年頃に遡る。先々代の大久保新蔵氏は、籠づくりを生業にしていた。

 養豚を始めたのは先代・大久保泰次氏の時。大正の終わりから昭和の初め頃に、種豚を扱い始めた。

 また、同氏は当時の綾瀬村青年団の一員として、「高座豚」の元になった中ヨークシャー種の買い付けにイギリスへ赴くなど、精力的に活動した。この後、先々代の名前で出品した豚肉は「全国肉畜博覧会」で高い評価を受けるなど、「高座豚」の火付け役の一端を担ったという。

 「肉屋」として株式会社化したのは昭和30年。先代が「種豚にならない豚の精肉の販売場所が必要」と、自宅を改装。冷蔵庫やウィンドーなどを揃え、資格を取得した。

 「当時は肉よりもラード(脂)に需要があり、値段も脂の方が高かった。本業は養豚だったし、苦労も多かったのでは」と大久保茂社長は語る。「かながわの名産100選」に選ばれている「豚みそ漬」も、原型は保存用として味噌に漬け込まれた肉の塊だった。

 肉専門の板前が見つかったことで、昭和45年に事業を拡大。豚みそ漬けも試行錯誤を繰り返し、3年がかりで商品化にこぎつけた。

 茂さんの3代目就任以降も豚みそ漬けは改良を重ね、今ではゆるぎない綾瀬の名産品としての地位を確立している。他にも当時まだ少なかった宅配便による地方発送や、店の知名度向上のためのサービスイベント、催しへの積極的な参加などを行ってきた。現在の主力商品の一つ、「てごろ漬」も開発している。

 「昔と今とでは生活の様式が変わった。次の世代につなぐためには、時代に合わせた形態の模索が必要」と、展望を語った。
 

みそ漬けは県の名産品にも
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