市内早川の龍洞院(菅野禪海住職)でこのほど、落慶式が執り行われた。90年ぶりに改築された本堂の完成に合わせてのもので、式典には近隣の住職に加え、大勢の檀家らが集まった。
曹洞宗總持寺派一澤山龍洞院は、かつての愛甲郡玉川村龍鳳寺の末寺として慶長年間に創建された。明治12年(1879年)に火災で本堂が焼失したが、昭和3年(1928年)に建て替え前の本堂が再建され、現在は市内外合わせ300件の檀家を抱えている。
本堂建て替えに際し、檀家で構成される「護持会」が5年前に建設委員会を立ち上げた。老朽化に伴い当初は新築で検討していたが、7億円という見積り額に方向を転換。「現在と同規模のものにしたい」という檀家の強い思いから、今の骨組みを活かした全面改築で計画を進めた。
昔ながらの「曳家工法」の技術を持つ市内業者に依頼し、檀家からの寄付と会の積み立て、住職の寄付で集めた予算をもとに昨年10月着工。「床をはがしたところ、柱がボロボロだった。耐震面でも限界を迎えていた」と同委員会は話す。痛んだ柱を全て交換し、土台の石の上に柱を置いていただけの基礎も一から打ち直し、全面改築されている。
落慶式では厳かな雰囲気の中で式典がつつがなく執り行われ、その後に同寺恒例行事である施餓鬼供養が実施された。
同寺は焼失後、50年にわたり住職不在の時期が続き、一時は檀家が18件まで減少していた。龍洞院に残された石碑によると、長泉寺(市内早川)が協力し、かつての早川村の住人たちが田畑を担保に入れるなどして復興に尽力したという。「これを機に周りの人たりが龍洞院を知り、訪れるようになってくれたら」と実行委員の1人は話す。
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