綾瀬市立図書館が現在、特別展示「文豪との邂逅」を11月6日まで行っている。県内の文豪ゆかりの地(施設)などを紹介するとともに、漫画「文豪ストレイドッグス」、ゲーム「文豪とアルケミスト」など文豪モチーフのサブカルチャーと初コラボを実現。普段、図書館に足を運ばない人たちの来館を促し、親しみを持ってもらおうという狙いがある。
同展開催のきっかけは、夏休み中に実施していた綾瀬中学校の手作りPOP展示。全国的な課題となっている「ヤングアダルト(中〜大学生)世代」へのアプローチに主眼を置いた学校連携事業の取り組みだったが、「せっかく中学生が足を運ぶきっかけができるのだから、楽しめる仕掛けを作りたい」と、6月半ばから企画会議が始まった。
スタッフが意見を出し合う中で、著名な文豪をモチーフにしたゲーム・漫画作品に着目。中でも今回の目玉となった「文豪とアルケミスト」は、今年6月にスマートフォン配信が始まり若い世代に親しみがあったこと、文豪というテーマでゲームの舞台が図書館であったことなど、企画との相性の良さも後押しになった。
担当者として中心になり動いたのは、百瀬茉莉奈さん。ゲーム配信会社が説明パネルや、写真撮影背景として利用できる巨大パネル用データを提供するなど快く協力したため、自然と特別展の柱になっていった。同社は過去に文豪の記念館とのコラボ企画などを行っているが、市立図書館での実施は綾瀬が初だという。
展示・動線に工夫
今回、工夫したのは動線。従来、特別展は入口すぐの場所で行うが、「普段図書館に来ない人を呼び込む」という趣旨から、書架の側面にパネルを取り付けた。順番に見ることで館内を一回りするよう誘導するとともに、入口に人が溜まり通常利用者の迷惑になることがないよう配慮した。
パネルでは、かつて多くの文豪が過ごし様々な作品の舞台となった神奈川の説明や、文豪ゆかりの地に建つ小田原文学館(白秋童謡館)、旧島崎藤村邸、鎌倉文学館、神奈川近代文学館を紹介。奥には関連書籍棚が設けられており、このために新たな書籍も購入した。
順路を進むと、同館が資料を集め作った「文豪ストレイドッグス」や、目玉である「文豪とアルケミスト」のパネルが展示されている。百瀬さんによると、普段は見かけない世代の人が1人でパネルを読み込んでいる姿を見かけるほか、ひと声かければ誰でも記念撮影ができるB0サイズの巨大パネルでも同様のケースが見受けられるという。
ツイッターで情報発信
今回の企画でもう一つ力を入れたのが、ツイッターによる情報発信。以前より温めていた公式アカウント(https://twitter.com/ayaselib)を、初の試みである文豪展に合わせ8月2日から始動した。開始早々からフォロワーが増え、リツイートで情報が拡散。「図書館とアルケミストのコラボが嬉しい」というユーザーからのコメントも寄せられている。
「思った以上の反響でした。きっかけは漫画やゲームでも、好きなキャラクターや背景、歴史を調べるために図書館に足を運び、そこから自然と知識が広がっていく。当館が、その楽しさを伝えられる役割を担うことができたら。題材やタイミングが合えば、今後もこういった企画を考えていきたいです」と、百瀬さんは話している。
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