綾瀬市シルバー人材センター(吉川重夫理事長)が、市が管理する調整池上にある「深谷中央5号公園」(深谷3丁目付近)の整備を行っている。市民が楽しめる「花の公園」をコンセプトにしており、花壇と通路の区分けからベンチに至るまで、全て会員が手作り。整備は3年間の計画で行われているが、同センターでは今年春に一般への公開を予定している。
5号公園は、深谷中央特定土地区画整理事業の引き継ぎを受け、市みどり政策課が整備を検討していた。下が調整池なため施設の作り込みが難しかったこと、他とは違った特色ある公園づくりを目指していたことなどから、シルバー人材センターに依頼したという。
工期は2015年度から17年度の3年間。敷地面積2300平方メートルほどで、季節の花々が楽しめるよう敷地内には10面の花壇が作られている。
主な作業員は、全体を統括するリーダー含め4人。作業日は火曜・木曜・金曜の週3日で、必要に応じて他の会員が手伝うこともあるそうだ。
雑草に悪戦苦闘
センターによると、着工したのは昨年の5〜6月頃。最初に描いたイメージ図を、ガーデンデザインの資格を持つ会員が引き直している。
開始当初は草が生い茂り、季節も相まって除草だけで相当な労力を要していた。「このままでは、らちが明かない」と、まずは土づくりと防草作業を徹底。市内業者から貰った土や剪定枝を細かく砕いたチップを敷き詰めるなど、試行錯誤の繰り返しだった。
「量が多すぎて覚えていないけれど、チップだけでも最低2t車14台分は使っている」と、加藤行数事務局長は話す。花壇と通路を仕切るレンガの間に「田んぼの畔板」を使うなど、管理を楽にするための雑草対策も施されている。
ほぼ全て「手弁当」
除草の手間が減ると仕事の効率が上がり、進行速度が格段に上がり始めた。作業員の1人は、「最初は完成のイメージすらわかなかったけれど、形が見えてくるにつれて出来上がりが楽しみになった」と充実した表情を覗かせる。
公園の整備に使われている材料は、ほぼ「貰い物」。レンガや畔板など必要最低限の物は購入しているが、それ以外は全て事業者や家庭で不要になったものを再利用している。
その都度、材料の活用法を思いつき、当初の設計図になかった蔓性植物用アーチや、ベンチなどが増えていった。他にもロックガーデンやテラスなどもあるが、これら含め全て手作業で作り上げている。
花が溢れる公園に
現在、花壇と園外周にパンジーやネモフィラ、矢車草、チューリップ、アジサイなど約20種の花が植えられている。今後は1年草と多年草のバランス、花同士の相性などを見ながら、徐々に数を増やしていく。
今年度は全体を平面的に作り上げたが、来年度は花壇などに高低差を付け、立体的に仕上げるという。外周北側への植樹や、会員が制作したオブジェの設置なども検討されている。
「試行錯誤しながらなので、まずはどれだけ上手く花が咲くか。不安であり、楽しみでもある」と、加藤事務局長は話している。
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