「すずほのプリン」が10年ぶりに名産品入りした(有)鈴保養鶏園の代表取締役を務める 鈴木 光雄さん 上土棚中在住 66歳
名産の名に恥じぬ品質に
○…鈴保養鶏園は、66年前に先代である父が創業した。近くで養鶏を営んでいた人に師事し、鶏を飼ったのが始まりだった。普通科高校から、鶏を専門的に学ぶため創設間もなかった岐阜大学家禽畜産科に進学。家業に入り21年前に2代目を継いだが、父が議員になったため経営には早々に携わっていたという。「当時は茨城の農場と2つあった。今は別会社として弟がやっているけど、この時はやるしかなかった」と語る。
○…もとは自宅車庫で卵直売を行っていた。加工品でプリンを作る養鶏仲間が多く、5年前に卵販売を伸ばすための加工場と直売所を計画。機械入れ替えで譲ってくれる仲間がいたこと、現在メインの息子夫婦が家業に入っていたこと、娘がスイーツ作りを得意だったことなど様々な条件が重なり、4年半前からプリン加工を開始。今では年間3万食を販売し、卵も売上も伸ばしている。「知名度が上がっているのかな」と、手ごたえを口にする。
○…趣味はマラソン。バブル時代の不摂生で脂肪肝になり、「何かしないとまずい」と40歳で40Kmに挑戦した。1週間は仕事にならないくらい体がボロボロで「もうやらない」と思ったが、翌年は初出走を超えるタイムで「これは面白い」と虜に。117Kmの富士五湖めぐりや、名古屋から金沢を目指す250Kmのレースなど距離も伸び、50歳を超えてからはトレーニングも欠かさない。「47都道府県全て走ってる」と白い歯を見せる。
○…都市型畜産として周辺環境配慮と生産性向上のため、「ウィンドレス鶏舎」を26年前に取り入れるなど常に新しいことに挑戦してきた。役員を20年以上続けている県養鶏経済農業協同組合連合会では、養鶏仲間と常に情報交換を行っている。「名産の名に恥じぬよう、しっかりやっていく。それにふさわしいパッケージや、質を落とさず賞味期限を延ばす方法など模索していきたい」。さらなる成長を目指し、挑戦は続く。