20周年コンサートを行う「ONEハート」の代表を務める 齋藤 惠美子さん 綾瀬市小園在住 71歳
音楽と声と笑顔を届ける
○…20年前に立ち上げた団体「ONEハート」は現在、100人以上のメンバーが活動し、年間200回以上の公演をしている。記念公演を目前に控え、「慌ただしい日々を過ごしています」と話すが、その表情はどこか楽しそう。「お客様たちはもちろん、演奏する会員たちも一緒に楽しんでもらえる。そんな時間になれば」と願いを込める。
○…40歳のとき、自宅で音楽教室を開いていた縁から、重度の障害者施設でエレクトーンの指導依頼を受けた。ただ学ぶだけでなく、音楽を楽しんでほしいと考え、演奏会を開催。演奏を楽しむ姿に目が見えない、歩けないなどの障害は関係なく、耳が聞こえなくても楽器に手を当て、音の振動を感じている姿を見て、音楽の凄さに感激したことを忘れはしない。「この思いを多くの人に感じてもらえたら」というのが、団体発足の原点。同施設へのコンサートは今も続けている。
○…小学3年生の頃、交響楽団の演奏に感動し、ピアノを習いだした。「裕福な家庭では無かったけど、『おやつはいらないから習わせて欲しい』と3日間くらい粘りました」と当時を思い浮かべる。一時、音楽からは離れたが、大人になってから再開し、結婚式場で演奏するブライダル奏者として、10年間で千件以上の挙式に花を添えた。「音楽一家のような恵まれた演奏環境では無かったから、自ら音楽の出来る場に飛び込む必要があった。その経験が今でも活きています」
○…”笑顔は他人を笑顔にする”をモットーに、感動を人に伝播させる。その思いが通じてか、会員自らが公演する場を見つけてきたり、仲間集めもしてくれる。長く続けていられる支えとして、夫の存在がある。大学時代に放送劇を通して出会った夫とともに、朗読劇を始めるなど二人三脚の活動を進めている。「会場にいる人の心が一つになる場を提供したい。それが”ONEハート”と名付けた時の夢です」と熱く語る。