(財)日本消防協会特別表彰まといを受章した愛川町消防団の団長 柏木 彰さん 愛川町中津在住 60歳
十八番は「情熱の嵐」
○…「愛川町消防団の長い歴史が頂いた章。今回の受章を誇りに、今後も地域防災の意識を高め、一層の精進をしていきたい」と顔を引き締める。全国2000を超える消防団の中から例年10団のみに授与される特別表彰まとい。全国消防操法大会出場歴や消防庁長官、日本消防協会からの表彰旗授与など、段階を踏んでたどりつく消防団最高の栄誉で、県内でも過去に受章しているのは8団のみ。「大変なものを頂いたという気持ちですね」とも。
○…消防団に入ったのは23歳の時。「親も団員だったし、それが当たり前だったから」と振り返る。分かってはいたものの、当初は仕事をしながらの活動を重荷に感じたことも。しかし、自分たちのまちは自分たちで守るという高い意識を持った先輩たちの姿を見るにつれ、考えも変わっていった。「頑張らなければという気持ちが自然と湧いてくる雰囲気でね」と。今では地域のことを学び、たくさんの仲間との出会いを作ってくれた消防団に感謝の気持ちでいっぱいだ。
○…37年間の消防団生活も3月で一旦区切りを迎える。それでも「先輩方がそうであるように、OBとしていざという時の戦力になりたい」と町への想いは変わらない。平成12年に県全国消防操法大会で6位入賞したことが一番の思い出。「選手たちを団全体が盛り立てて、一体感がすごかった」。
○…電気工事業を営み、町内外を忙しく飛び回る日々。「まだまだのんびりできそうにない」と笑うが、その目はいきいき。昔はテニスやゴルフに汗を流したこともあったが、最近はご無沙汰。懇親の席ではきまってカラオケを披露する。十八番は西城秀樹の「情熱の嵐」。「きっと団の仲間にはまた歌ってるって思われてるけど、歌詞がいいんだ、歌詞が」と照れくさそうに微笑んだ。