愛川町子どもの読書を推進する会 会長 平川 嘉則さん 愛川町中津在住 74歳
豊かな心は読書から
○…「読書は、こころの内的世界の奥行きや広がりを培うことにおいて他の追随を許さない。子どもたちの読書体験を豊かなものにさせていくのは大人の責任」。この想いを胸に、平成17年に有志とともに会を設立。現在13名で活動している。町の委託を受け、読書ボランティア団体が共に歩む学びの場としての講演会や実践講座の開催のほか、親子で楽しむお話し会、本の選び方の紹介などが活動の柱だ。
○…子育てに欠かせないものとして「読み聞かせ」の大切さが叫ばれるようになって久しい。それに伴って、各市町村に、学校や地域で活躍する読書ボランティア団体も増えてきた。自身は大人と子どもの読書機会が増えていることを喜ばしく感じている一方で「一時のブームで終わらせたくない」という思いが強い。各団体のレベルアップに力を注ぐが「団体の成熟度が増せば増すほど、新しい人が入りにくいのでは」と感じることもあり、後継者不足の悩みは尽きない。
○…公立小学校の校長、町の教育長として子どもたちの教育に尽力してきた。「逆境は創造の母」が座右の銘で「たとえゼロからのスタートでも、やってみるとできるもんだ」と笑顔を絶やさない。現在は、子どもの読書を推進する会のほかに教育開発グループ「らっきょうの会」の会長としても手腕を発揮する。
○…部屋の壁にはオリジナルの書架。天井までびっしりと本が並ぶ。マーキングと書き込みが癖のため、図書館で本は借りられないという。穏やかでよどみない語り口から繰り出される言葉の引き出しは、多くの書物に触れてきたからこそ。聞くとダジャレも大得意で、自然と言葉が浮かんでしまう。校長時代に、場を和ませようと全校朝礼で発したダジャレが誰にも気づかれず”大スベリ”したこともあったとか。