4月20日におはなし会を開くおはなし「たんぽぽ」代表 小野沢 由江さん 愛川町三増在住 58歳
古本屋さん巡りが趣味
○…「本一冊で作れる空間がある。親子のふれあいを育むきっかけになれば」。毎月、図書館で開いているおはなし会にはたくさんの子どもたちが集う。会は手芸に料理など「手づくり」が好きなメンバーの集合体。必然的に読み聞かせでもそれぞれが趣向を凝らした大道具に小道具が登場し、さながら演劇のステージだ。ちいさな観客たちがその世界に入り込み、声があちこちから上がるたび演者の気合いも乗ってくる。
○…1988年に発足。会の名前は、わたぼうしのように地域の子どもたちに読書の輪が広がっていけばという思いから皆で名付けた。当時はまだ読み聞かせのボランティアが少なかった時代。幼稚園に保育園、福祉施設に子ども会と、年中ひっぱりだこだった。図書館での読み聞かせは2007年から毎月。このほか、春・夏のイベントにも出演し、重ねた回数は3月末現在で270回に上る。
○…落ち込んだとき励みになったり、悩んだときに助けてくれたり―。節目、節目で自分を支えてくれたのは本だった。幼い頃はどちらかといえば外で元気に遊ぶタイプだったが、気づけばいつしか本の虫に。自分のため、そして子どもが生まれれば子どものため。「寝る前には毎晩読み聞かせをしたものです」と振り返る。だから頭の中には絵本のストックがいっぱい。読んだ本はノートにつけて、おはなし会に向いているかと思いを巡らせてきた。
○…古本屋さん巡りが好きだ。お目当ての本をおとくな価格で見つけると「ちょっと幸せな気持ちになりますよね」とにこやか。絵本の中で一番のお気に入りはかこさとしさんの本。次のページはどうなるか、最後はこのままの流れで収まるのかなど、想像するだけでワクワク。そんな母の性格を知っている娘は、誕生日や母の日に毎年きまって本を贈ってくれるそうだ。