子どもたちの登下校見守り活動を行う水無(みな)の会会長をつとめる 長谷川 達雄さん 清川村煤ケ谷在住 71歳
高齢期を幸齢期に
○…仕事中心の日々を過ごしてきた男たちが定年退職を迎え、いざ地域参加しようと思っても意外と知らないことが多い。すでにある村の団体に入っていこうとも考えたが、どこでどんな活動ができるのかもわからない。そこで近所の仲間が集まって2004年6月に会を発足。名前は水無月とみんなをかけた。「健康で文化的な、楽しい村の生活を求め、能動的に社会参加」が会のスローガンだ。
○…もともとコミュニケーションの場づくりが目的だったため、何をするかは決まっていなかった。考えた末、始めたのが学童安全安心パトロール。小学生の登下校時に交通量が多い交差点に立つ。活動は「できる時にできる人ができる範囲で」が基本で、毎日欠かさずではないが、年々子どもたちからの認知も高まっている。「開始当初は立っているだけで声も出せなかった」と笑うが、今では素通りする子どもがいれば積極的に声をかけている。
○…発足から9年が過ぎ、村内他団体の協力を得ながら活動も広がりを見せている。防犯巡回や自治会館での花畑づくり、子どもと大人のふれあいイベントと盛りだくさん。一番人気は男の料理教室。毎回15人程度が集う。「自分のことは自分でできるようにしましょうよ」がきっかけだが、食べる楽しみだけでなく、情報交換の場としても一役買っていて、さながら男の井戸端会議だ。
○…横浜市出身。豊かな自然に魅かれて清川村に移り住み40年以上。村が高齢期を上手にスタートし、充実して過ごすきっかけづくりにと毎年開く「幸齢社会への入門講座」では実行委員。無趣味だからこそいろいろ出かけて発見もあるとスポーツにレクにといつもエネルギッシュ。名古屋で暮らすお孫さんの”連れてってリスト”はまだまだいっぱい。「だから元気でいないとね」とほほ笑んだ。