忘れない想いを一枚に 工芸大生が被災した故郷写す
高校2年生のときに東日本大震災を経験した宮城県出身の東京工芸大学写真学科の学生、武川(むかわ)健太さん(2年)が学内の図書館で写真展を開催中だ。
気仙沼市や南三陸町志津川、女川町で約3年にわたって撮影した17点。倒壊した建物や焼けた線路など被害の大きさを物語るものから、水たまりの花束、復興に向かう歩みを捉えた一枚が並ぶ。武川さんは中学2年生のときにテレビで鉄道写真家の作品をみて衝撃を受け「自分も普段は気づかない驚きや発見を伝えたい」と写真家を志した。小学生の頃から貯めていたこづかいで一眼レフカメラを購入。独学で撮影を始めた。被写体はもっぱら鉄道だった。
2011年3月11日、震災が発生。建物は倒れ、道路は隆起し、街は一変した。
それでも何かに突き動かされるようにシャッターを切り続けた。「それまでは写真は温かな気持ちにできるものと思っていたけれど、違った。撮った写真を見返すことができなかった」と振り返る。撮ることに罪悪感を覚えたこともあったが、ボランティア活動を続けて多くの人々と話を交わす中で、ようやく写真を見られるようになった。震災から1年以上がたっていた。「写真の本質は、忠実に残すこと。皆を笑顔にしようなんてしなくていい。誠意を込めて写した写真は正直で、語りかけることができる」
今回の展示は、被災地復興に関する活動報告をする図書館イベントの一環で開かれるもの。タイトルは「僕らが、写真でできること。」とした。自分だけでなく見た人も一緒に被災地のためにできることを考えて欲しいという想いを込めた。武川さんは「忘れないことが大切。多くの人にみていただきたい」と話す。
期間は4月25日まで。会場は同学中央図書館3階の展示スペース。学生に限らず、一般の入場も可能となっている。開館は午前9時10分から午後5時(4月10日 以降は同7時半)まで、無料。日曜・祝日は休館。
問合せは同図書館 046・242・9501へ。
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