愛川町立半原小学校の校歌を収録したソノシートを半原在住の八木民子さんと平山裕子さんがCD化し、同校に寄贈した。長らく聞くことができなかった制定の頃の校歌が、地域住民の力で甦った。
半原小学校は1873年に開校した。1971年3月に校歌が誕生し、八木さんは当時同校の5年生だった。「先生に『6年生はもうすぐ卒業してしまうから、この校歌は君たち5年生が歌っていくんだよ』と言われました」と振り返る。
以来、脈々と児童たちによって歌い継がれてきたが、20年ほど前、地域でピアノの指導をしていた平山さんが校歌のピアノ伴奏の楽譜に違和感を持った。子どもが持ってきた楽譜の通りに弾くと、不協和音ができる所があった。
制定当時の音を記録している資料が欲しかったが、見つかったのは校長室の金庫から出てきた古いソノシートのみ。作られた当時を知る教員がいないため詳細は不明だが、校歌制定に近い頃のものとみられた。しかし再生できる機材が周辺に無く、そのままになっていた。
このソノシートの情報を、近所に住む友人の八木さんが今年11月にフェイスブックに載せたところ、清川村にあるインターネットのサポートをしているボランティア団体「ひかり根っ人きよかわ」のメンバーからすぐに連絡があり、11月19日にはソノシートの校歌を収録したCDが完成した。
歌っているのは読売ジャイアンツ球団歌でも知られる三鷹淳。迫力あるオーケストラの演奏で仏果山や中津川など半原の自然と子どもたちへの想いを歌う。
八木さんは「先生の言葉で校歌を守る事が刷り込まれていたのかも」と笑う。平山さんは「CDを聞いて、不協和音は楽譜の間違いだったことが確認できました。子どもたちは校歌が大好き。きちんとした形で伝えてあげたい」と話す。
寄贈を受け同校では、給食の時間に校歌を流すなど今後の活用を検討している。高栁俊彦校長は「地域の方にこのように動いていただけることは、本当にありがたいこと」と話した。
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