神奈川県立愛川高校(大沢利郎校長)で12月9日、愛川町に伝わる「海底(おぞこ)和紙」の主原料である楮の蒸し・皮むき作業が行われた。
同校では地域の伝統文化を学ぶ選択科目を設けており、校内で生産した材料を使った海底和紙づくりを1998年度から続けている。今年も7人の生徒が和紙作りに取り組んでいる。
材料となる楮は校庭に20本ほど生えており、毎年葉が落ちて成長が止まる12月上旬に収穫する。束ねた楮はドラム缶を使った釜で1時間半ほど根気強く茹で続ける。茹であがると木の皮が浮き上がるように剥がれる。冷えると再びくっついてしまうためここは時間との勝負。全員が一気に手作業で皮を剥いた。この日はドラム缶の蒸し器3回分の枝を処理し、ビニールシートの上には楮の皮が山のように積まれた。
今回の作業でできた皮は来年の和紙作りの材料として一度乾燥させる。春には紙の繊維を繋げる糊となるトロロアオイの栽培が始まり、10月の収穫まで肥料や雑草取りなど管理が欠かせない。乾燥させた皮もソーダ灰で漂白する「煮熟」や繊維を砕く「叩解」といった作業を経て、やっと紙漉きの作業が始まるのは来年の秋から冬にかけて。和紙づくりは1年のほとんどが農作業だ。3年生の岩倉優里花さんは「冬の水作業や夏の雑草取りは大変ですが、絵の具を混ぜて色のついた紙を作ったり、本のカバーを作ったり試行錯誤が楽しい」と笑顔を見せた。
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