愛川町文化会館で2月20日、東日本大震災復興支援事業「映画上映・講演会」が開催された。
このイベントは、町内15団体で組織する東日本大震災復興支援事業実行委員会が主催したもの。
東日本大震災の発生から5年。未曾有の災害を風化させることなく教訓とするために、町民の防災意識を高めることが目的。
講演会では、東日本大震災直後に遺体安置所となった岩手県釜石市の中学校体育館の状況を描いた映画「遺体 明日への十日間」のモデルとなった民生委員の千葉淳氏と、釜石市社会福祉協議会の菊池亮氏が講師に招かれ、「東日本大震災復興への軌跡と現状」と題して講演を行った。
千葉氏は「あの時は立っていられなかった」と震災発生時を振り返る。葬儀屋として働いた経験があったことから遺体安置所のために「何とかしたい」と決意した思いを語り、津波で真っ黒に汚れた遺体が運ばれてくる遺体安置所の様子や、突然の災害で家族を失い安置所で悲しみに暮れるご遺族の姿など「今でも思うと悲しくなる」と、涙で言葉を詰まらせながら凄惨な現場を語った。
さらに、「あの日亡くなった皆さんも、自分が今すぐに亡くなるとは思っていなかったと思う。いつ訪れるかわからない震災に備えて、被害にあわないようにしてほしい」と呼びかけた。
また、菊池氏はスライドで釜石市の様子なども交えつつ「5年経った今も、まだ仮設住宅に住む方は多く、復興は道半ば」と現状を語り、「あの時は消防や役所、警察など頼りたいところも水にやられてしまった。日頃から食糧や燃料など、自分と家族を守る備えを忘れずに」と話した。
講演の後は、映画「遺体明日への十日間」が上映された。
この他にも会場では、写真の展示や釜石市の物産販売が行われ、ワカメや海産物の缶詰などを多くの来場者が買い求めていた。
なお、当日の物産品の売り上げや映画入場料、会場で集まった募金などの全額が釜石市社会福祉協議会に寄付されるという。
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