愛川町消防長に就任した 梅澤 幸司さん 愛川町中津在住 58歳
「相手の視点」を常に
○…愛川町民の安全を守る消防長に4月1日、就任した。「ここ数年、町内の火災件数は減少傾向にありますが、高齢化などで傷病者数も多く、救急の件数は増えてきている」と背筋を伸ばす。「これからも、住民の皆様の視点に立った消防・救急活動に取り組んでいきたい」と決意を語る。
○…中津生まれ。中津小、愛川東中と地元で育ち、津久井高校卒業後は消防一筋40年。愛川の消防組織は大所帯ではないので「何でもやらなきゃいけない」との言葉通り、消防救助、警備防災、危機管理など様々な経験を積んできた。昨年度まで消防署署長も務めたが「消防長になると、町の行政全体を含め、知らなきゃいけないこと、学ばなきゃいけないことがいっぱいある。ここ何カ月かは集中して勉強です」と苦笑する。
○…消防を志すきっかけは、高校生の頃だった。自身の家が部分焼になり、たまたま近所の祭りで来ていた消防車が火を消し止めた。「消防隊員に本当に感謝した。将来を考えた時『自分も感謝される仕事に就きたい』と思って」と振り返る。当時は町内に消防本部はなく、役場内に防災・消防の担当課があった。1975年に愛川町に消防本部が誕生し、「働くなら地元で」と志願。「水・空気・季節の木々や花…。自然も本当に綺麗ですよね」と愛川の魅力に目を細める。
○…中学・高校とサッカー部。役場内にサッカー部があった時代は自治体のサッカー大会で2度も全国大会へ。「準備の大切さ、充実感。仕事にも通じる様々なことをサッカーに教わった」と笑う。次女が地域のサッカークラブに入団したのをきっかけに自身もコーチとして参加。指導者歴は18年に。次女は社会人になってからもフットサルで全国大会に出場するなど活躍。夫人とともにサッカー話で盛り上がるのかと思いきや「家ではあまりサッカーの話題は出ないんだよね」とつぶやく表情に、父親としての素顔をのぞかせる。