半原・田代の住民らで組織する愛川地区まちづくり協議会(小島信男会長)が10月24日、「愛川地区まちづくりに関する提案書」を小野澤豊愛川町長に提出した。町では、提案内容を精査し、今年度進めている半原地域の観光・産業連携拠点づくり構想に反映させていく考えだ。
同協議会は今年5月、愛川地区の住民や団体が中心となって設立された。
町が進めている観光拠点づくり構想や横須賀水道半原水源地跡地の利活用について議論を重ね、7月から8月には地域住民約3400世帯にアンケートを実施。この結果と9月の意見交換会を経て、今回の提案書をまとめた。
提案書では水源地跡地や宮ヶ瀬ダム、塩川滝周辺エリアに加え、県央愛川農業協同組合半原支所周辺を新たな拠点と設定し、来訪者のターゲットを明確にすること、それぞれが連携を図りながら自立運営が可能な方策を検討することなどを基本方針に掲げている。
さらに、「多世代の交流が創出され次世代に引き継げる場」「便益が町全体に波及するなど地域活性化に資する方策」「町の歴史・文化・自然など地域資源を活かした方策」など11項目の提案を行っている。
提出された提案書に記されたのは主にまちづくりの方向性で、具体的な方策の提案までは踏み込んでいない。小島会長は「多くの意見とタイトなスケジュールから、一定の結論付けには至っていない。この提案書はスタートであり、提出して終わりではない。更なる意見交換や勉強会を重ねて、今後も提案を続けていきたい」と話す。
小野澤町長は「いただいた声を受け止め、しっかりと努力していきたい。提案は町の考えとも一致している。今年度内にいくつかの構想案を取りまとめ、新年度はこれを土台に、皆様の声を聞きながら煮詰め、絞り込んで形にしていきたい」と話した。
また、懇談の席では同協議会役員から、町民と町、委託業者による意見交換会の開催や、情報発信を求める声があがった。
地域に向けた活動を更に
同協議会が10月30日、地域の資源を知る「半原水源地周辺の歴史さんぽ」を行い、町民ら70人が参加した。
参加者らは徒歩で地域をまわり、宮沢川にあるホタルの里や県内最古の木造校舎である旧半原小学校校舎、八木社寺建築アトリエを見学。通常は立ち入りができない半原水源地跡地の敷地内も見学した。
同協議会では今後も、地域の資源を知るイベントやまちづくりについての意見交換会などを企画していくという。