田代小学校人権福祉コンサートに出演した 図師(ずし) たまみさん 愛川町出身 34歳
「受け入れる心」で前向きに
○…6年ぶりの母校でのコンサートを終え「子どもたちが素直に聞いて、反応してくれるから、私もまっすぐに歌いました」と満面の笑み。幼少期を過ごした愛川。「この校庭で銀杏をとったりしましたね。景色がとても心地良いところ」と柔和に目を細める。
○…シンガーソングライターとして都内を中心にコンサートやライブなどで精力的に活動。オリジナルソング「絆」がJAバンク愛媛のCMソングに抜擢されたことで注目を集め、2015年スタジオジブリコンピレーションアルバムにも参加するなど、活動の幅を広げている。自分の歩んできた人生の想いを、素直な歌詞とメロディーで綴る曲は幅広い年代から支持されているが、「これからは自分以外の人の想いを歌にできるようになることが目標」と前を見据える。
○…田代小、愛川中学から海老名市の有馬高校へ。「音楽の成績はいつも5でした」と胸を張る。歌は好きだけれど「当時は歌手にはなれないと思っていました」と語る。歌唱力や容姿。華やかな世界に飛び込むには飛びぬけた何かが必要と思い込んでいた。「自分に自信がなかったんですよね」と振り返る。宙ぶらりんのまま成城大学短期大学部を卒業し、フリーターや派遣などで仕事を転々とする日々。それでも「歌が好き」という気持ちは隠さず、周囲に話していた。転機は25歳の時、イベントで「歌わないか」と声がかかり、シンガーソングライターとしての第一歩を踏み出した。
○…歌を人生の中心に置いて大きく変わったのは、自身の心境だった。自分を見つめ直し、しっかりと向き合う。「誰にでも心の弱さがある。けれど、自分を受け入れることで、ダメなところも笑って受け入れられるようなポジティブさに変えられる」。聴く人の心に寄り添い、明るさや元気をくれる。そんな歌を生み出す源は、自分の弱さを乗り越えた「受け入れる心」かも知れない。