町の消防の要である消防署長。4月1日から新署長に就任した新倉哲夫さんは、18歳で消防の道に進み、今年で40年目。救急の任務を25年間経験した、救急のスペシャリストでもある。
新倉署長によると、町内では近年、火災での出動件数は落ち着いてきており、家庭での住宅用火災警報器の普及率も高いという。
一方で、増加傾向にあるのが救急だ。年間約2千件という救急件数は「人口比率でみると多い」と警鐘を鳴らす。高齢化が主な要因と分析され、独居老人の増加などもあり、倒れてしまった際に発見が遅れるケースもある。「地域での声掛けなどにも取り組んでいただいていますが、一層の注意が必要です」と話す。
救急の出動件数は多いが、愛川町内では救急車での搬送中に呼吸や意識、心拍などの回復率が高い傾向にあるという。これは、居合わせた人が救急措置を取ることが多く、適切な処置がされていることが大きい。「愛川町は、町民の方の救命講習受講率が県下でもトップクラスなのです。勇気を持って手を差し伸べてくださる方がとても多いことは、ありがたい」と話す。
現在、愛川町消防署の職員は68人。団塊世代の大量退職もあり、世代交代が目下の課題。今後、3年から5年程で、全職員の半数が勤務経験5年未満の職員になる。「若手の職員には、応用力など『気づく力』をもっと身に着けさせたい」と厳しい父親の表情。「人の命に係わる仕事は『間違った』では済まされない。このことを、改めて肝に銘じたい」。命の尊さを胸に刻み、今日も愛川を見守る。
愛川・清川版のローカルニュース最新6件
|
|
「何が必要か」を常に模索 社会5月1日号 |
|
2019あいかわチャリティーゴルフ 社会5月1日号 |