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横須賀

最新号:2012年2月 3日号

美術館アドバイザー報酬巡り

原告側、提訴取り下げ

のこり3,800万円の支払い停止へ
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2009年10月23日号

 横須賀美術館の開館にあたり、画家の谷内六郎氏の作品を寄贈された横須賀市が、谷内氏の長女にアドバイザー料として報酬を支払っていることは不当だとして市民2人が横須賀市長を相手に起こした住民訴訟について、原告側は10月16日、訴えを取り下げたことを発表した。吉田雄人市長が来年度以降、同報酬を予算化しない方針を示していることがその理由だ。

 市民2人と代理人の弁護士によると、横須賀市は平成10年、谷内氏の作品を譲り受ける対価として、遺族に約7,000万円を支払うことを密約。その後、同市は「作品等の調査研究および整備保存に関する助言のための専門委員(アドバイザー)」の報酬として、月額22万8,700円を最長で25年間支払うことを記した覚書を交わしたとしている。

 原告側は、「長女に対する報酬は名目で、実質は作品を譲り受けた対価」と主張。また、長女のアドバイザー業務は、市職員と年に数回打ち合わせをしたに過ぎず、報酬に見合う勤務ではなく不当だとしている。昨年度は8回の業務だった。

 こうした理由から今年3月、横須賀市長を相手に、これまで支払った報酬約3,000万円の返還と、今後の支払い差し止めなどを求めて提訴していた。これまで弁論と円卓会議が計3回開かれ、書面上のやりとりも行われてきた。

 6月の市長選で当選し、7月に就任した吉田雄人市長は市議時代からこの問題を追及してきた。公文書公開請求で覚書の存在も明らかにしてきた。市長就任により一転して被告の立場となったが、8月の行われた市民との昼食会や記者会見の場で、来年度以降は同報酬を予算化しない考えを示した。

 吉田市長の意向を受けて原告側は「差止めが実質的に実現し、約3,800万円の支出を防ぐことができます。これで、大きな目的を達成することができました」として訴えの取り下げに踏み切った。これ以上横須賀市長を相手に裁判を続けることは適当ではないとの考えだ。

原告「有意義な税金の使途を」

 これまで支払った報酬については、「(過去の支払い分の)返還を求めることは並大抵のことではない」と判断。裁判を長引かせることで市長の負担が大きくなることを懸念し、「(市長には)本業に専念してもらいたい」と話した。

 吉田市長は「アドバイザー委嘱についての見直しは選挙公約の1つです。就任後、実際に見直すように検討をお願いしましたが、これは私が市長になって初めて出したもの。予算化しない旨を議会でも明言しています」とコメント。

 原告の1人は「議会と協調した上での報酬打ち切りを望んでいます。(3,800万円が)市民にとって有意義な税金の使われ方をされるよう期待したい」と話す。支払い差し止めが実現した後の谷内氏遺族側の対応については、「今の時点ではなんとも言えない」としている。

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