市長インタビュー
横須賀を売り込む シティセールス元年
都市イメージ向上テーマに「集客・プロモーション」強化
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2010年1月 1日号
平成22年の幕開けにあたり、吉田雄人横須賀市長にインタビューを行なった。市長は市政刷新「チェンジ!」を掲げて初当選した昨年を振り返るとともに、今年重点的に取り組む施策、また直面している財政問題などについて見解を語った。(株)ジェイコム湘南 横須賀局と(株)タウンニュース社の共同企画。
−昨年6月に初当選。市長就任後から今までを振り返って印象に残る出来事を聞かせください。 一番を挙げると9月議会で行った所信表明の演説です。私の市政に対する想いを話させていただきました。議場に入りきれないほどの傍聴者がいらしてくださいましたが、そこには新市長への期待、一方で不安もあったかと思います。
−逆に苦労したことなどはありましたか。 就任直後から2ヶ月間を費やしてマニフェストのヒアリングを徹底して行いました。まずは市の職員に私の想いを理解してもらうことが大切だと考えたからです。私自身も各部局の現状を知らなければなりません。この確認作業には多大な時間を要しました。
−すべてはマニフェストに基づいての市政運営だということですね。では、新年の重点施策について。ひとつに「シティセールス」の強化に乗り出すと聞いています。 最優先課題の「交流人口増加」「企業誘致」「シティセールス」の施策を集客・プロモーションという観点から経済部に一元化し、戦略的に取り組む体制を整備します。横須賀市の都市イメージ向上を狙ったもので、多くのプロモーションを積極展開していきたいと考えています。私自身もトップセールスを行っていく気構えです。普段から観光チラシを持ち歩いて、すぐに手渡しできるようにしていますが、職員一人ひとりにも「横須賀を売っていく」という意識を持っていただきたい。まずは市長の姿勢が大事だと考えています。
−マニフェストには「財政の建て直し」がシンボル施策として位置づけられています。 横須賀市の財政は大変危機的な状況です。市議の頃から「このままでいいのか」という警鐘を鳴らしてきましたが、市長になって初めて見ることのできた数字などもありました。3,100億円に上る借金のほかに市の外郭団体(土地開発公社)が約110億円の負債を抱えている状況などを知るにつれ、喫緊の問題であると再認識しているところです。
−来年度予算の見通しとしてはいかがでしょう。 厳しい市政運営を余儀なくされそうです。その苦しい状況が市民に具体的に伝わっていない状況があるのではないか、との思いがあり、まずは皆さんに理解していただけるような財政の基本となる計画をつくりたいと考えています。
−それはマニフェストにある「財政状況をまとめた冊子の全戸配布」にもつながってくるのでしょうか。 財政の建て直しは、市民一人ひとりが意識するところから始まるものだと思っています。冊子については基本計画の策定後になりますので、配布は再来年度になるでしょう。先日、ある町内会長さんから手紙を頂きました。「(町内会への)補助金は今の5分の1でいい。市民も財政再建の取り組みを引き受けなければならない」といった内容でした。ありがたいお言葉でこうした市民意識の醸成を図っていきたいと思っています。
−景気の冷え込みが深刻です。昨今の景況感をどのように捉えていますか。 昨年来の金融危機以降、国も次の成長戦略が描けず先行きが見えない状況です。こうした中でも横須賀市でできることを考えなければいけません。具体的には企業誘致が要となるでしょう。ただ「やります、やります」と唱えていても達成できません。効果的な戦略プランに基づく結果が求められます。市民の皆さんの信託に応えるためにも率先して取り組む方針です。もうひとつは公共事業の入札制度。これまでは透明性、公平性、競争性の3本の柱があるとされてきましたが、私はこれに地域経済の活性化という柱を加えます。4月からは新制度でスタートできればと考えています。
−地域雇用の必要性も説いています。 経済の活性化は雇用に肝を置くべきだというのが持論です。大企業を誘致してもそこで働く人の数が少ない、あるいは市外の人ばかり。これでは目的を達成したとはいえません。企業誘致も市内雇用の拡大とセットで考えるべきです。
−身近な経済対策はどうでしょう。昨年はプレミアム商品券の発売がありました。 商品券の事業は市民の生活支援を目的に実施しましたが、今年は地域に根を張って頑張っている商業者、特には商店街を応援するような施策を打ち出していきたいという思いがあります。
−「ネイビー・バーガー」に続く新ブランド「アメリカン・スイーツ」も近く登場します。 食に関するブランド戦略は昨年の「ネイビー・バーガー」のヒットを手本にしています。新商品のスイーツはお世辞抜きに「美味しい!」と言えます。これを「横須賀でしか味わえない」をキーワードにして売り出していきます。加えて「地産地消」も大きな戦略項目のひとつ。農漁業関係者と連携して、獲れた食材がすぐに食卓に上る。そんな仕組みづくりを市としても支援していきたいと考えます。
−大きな話題として、日産自動車追浜工場が今秋から電気自動車(EV)の生産を開始します。 EVは経済だけでなく、環境という観点でも見ることができます。クリーンエネルギーは地球温暖化対策に資するものです。市ではEV普及の後押しを考えています。具体的には安心して走行できるインフラ整備が肝要です。充電器が市内各所で設置されるよう働きかけます。もちろん公用車への導入も考えています。
−最後にマニフェストに関して。現在の達成状況とご自身の満足度はいかかですか。 全207項目のうち、「すぐにやる」としたものが30項目弱。実際にできたものは3分の1くらいでしょうか。進み具合に対して厳しい意見も頂戴していますが、来年度の予算策定にはマニフェストの中身をどんどん盛り込んでいこうと思っています。実現のスケジュールも切っていますので。昨年は助走期間。今年は実現の年。皆さんに「チェンジ!」を実感していただけるよう全力を注ぎます。中でも自然環境保全を目的とした「(仮称)みどりの基本条例」の制定には特別な思い入れがあり、来年度中の実現をめざします。
※市長インタビューの模様は、ジェイコムのコミュニティチャンネルで元旦(金)から1月5日(火)まで放映されます。時間は、午前8時半、正午、午後5時、8時、11時の計5回