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最新号:2012年2月 3日号
2010年7月16日号
○…地球上の「火・空・水・風・土」を表す5色を基本に、万物・宇宙・世界の一日に流れる様々なエネルギーの収束とそれからの始まり、永遠を表す曼陀羅。ネパール密教では護符のような役割を持つこの曼陀羅を描く画家。未だ秘められた部分が多い伝統絵画の魅力を横須賀でも伝えたいと「ネパール曼陀羅展」を7月17日から8月1日まで地元汐入で開催する。
○…ネパールの首都カトマンズで、約700年続く曼陀羅絵師の家系に生まれた。14世紀以降、同国公認で祭事の絵を任されている家柄。密教と曼陀羅は生活の一部で育った。8歳から祖父の手伝いで描き始め、大学時代には王宮付きの絵師として、国外からの公人をもてなす部屋を彩る役目も与った。大天井に曼陀羅を描くことも楽しんだという。王宮内での出会いから「どんな人でも、波があっても、ベースは同じだ」と学んだ。
○…「楽しみもあったが、宮殿内ではまるで刀の上を歩くような緊張感があった」と、若き日の葛藤を朗らかに話す。当時は、篤い信頼が重圧にもなっていたという。3年勤め、新たな居場所を探して悩む中、祖父の知己を頼りにネパール密教最高位の師を訪ねた。そこで門外不出の経文(凡字)の意味を教わり、「曼陀羅は幸せのためにあるもの」と目から鱗が落ちるようにその存在意義に自信を持てるようになった。
○…浦賀出身の版画家の妻との出会いもあり、10年前に日本移住。最初の4年を鎌倉で過ごしたが、静かな環境にのんびりしすぎて創作意欲が低下。やる気を持ち直すために、6年前に汐入に引っ越した。自然も近く、新旧・内外、様々な要素が共存する横須賀の地が肌に合ったと笑う。広い縁側と立派な欄間がお気に入りの築84年の日本家屋に妻と2人の幼子と共に暮らす。「これからは好きな場所で描きたい作品を描くことで、見る人に幸せを届けたい」。