「金次郎像」横須賀にいくつ!?
仕事途中の通りがかり、ある「像」が気になっていた。かつて小学校の校庭で多く見かけた姿―薪を背負いながら書を読む「二宮金次郎像」。その場所は、開校110年を超える大楠小学校だ。桜の木の下に佇む真摯な姿が目に入る。
幼少期、薪を拾って売り、そのお金を勉学に充てたという二宮金次郎(後の尊徳)。勤勉・倹約の象徴として、戦前から学校の正門横や玄関前などに設置されるようになった。銅や石・コンクリート製など素材も様々で、戦中は金属拠出のため銅製が減り、現在残っているものは石像が多いが、学校の改修や老朽化などで、像そのものを目にすることは少なくなっているようだ。
昨年、神奈川県土地家屋調査士会(海野敦郎会長)では「二宮金次郎を探せ!」と題し、同会の活動の一環として、県内の公立小学校にある二宮金次郎像をすべて探し出し、マップを制作した。これは土地家屋調査士制度60周年を記念した事業で、同会のメンバーが各校を聞き取り調査し、情報提供を呼びかけたもの。
調べによると、約860校のうち像が確認できたのは144校。横須賀支部(横須賀市・逗子市・三浦市)内では、68校のうち大楠小を含めて5校で確認された(他は、逸見小・豊島小・走水小・小坪小/逗子市)。像のある学校は比較的県西部に多く、小田原市や南足柄市では対象校の半数以上にのぼる。
横須賀支部内でいちばん古い「金次郎像」は、大正時代に作られた大楠小学校のものだと推測される。また、逸見小学校の校門前にある像は、老朽化のため4年前に再建されたもの。初代の金次郎像の設置は「昭和11年」と台座に記されている。再建に際しては地元町内会や卒業生などが「再建実行委員会」を発足、資金を募るなどして実現した。さらに同校では、これに関連して図書館に二宮尊徳にまつわる書籍コーナーを設け、子どもたちが学ぶ機会を持ったという。
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なお、神奈川県土地家屋調査士会では調査を元に、GPSや測量機器などを用いて位置を観測、制作したマップは、該当校や公立図書館に寄贈されている。
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