「横須賀わんぱく相撲倶楽部」を主宰する 佐山 恵一さん 衣笠町在住 62歳
「わんぱく」から育ってくれ
○…250人もの小学生力士が参加したわんぱく相撲横須賀場所を終え、「やっと一息つけたよ」と表情を緩ませた。先の大震災の影響で27回続けてきた大会も「今回ばかりは…」と消極的な気分になったが、「来年も楽しみにしています」と会場で声を掛けてくれた人たちを思い出し、期待に応えたいとの思いがふつふつと沸いた。準備の問題からひと月遅れの開催となったが、ふたを開けてみれば過去最多の参加者数を記録。「子どもたちのたくさんの笑顔に今年も出会えた。やって良かった」と笑みがこぼれた。
○…義理の父で力士だった先代から相撲倶楽部の運営を受け継いだ。子どもの心身鍛錬と地域交流の場として立ち上げられたものだ。横須賀場所後は入賞者を集め、週末の稽古を繰り返し、夏の全国大会に送り出すのが一連の流れ。相撲の経験は皆無なため、技術面の指導は協力者に任せているが、土俵上での立ち居振る舞いには、厳しさを持って接している。「勝っても、負けても大切なのは礼節と感謝。地域の大人たちがこれだけの舞台を用意してくれている」。相撲を通じて、伝えたいのはこの一点だ。
○…地元の衣笠小からは毎回50名近くの児童が参加している。教育効果の高さを学校側も認識しており協力を惜しまない。転任した先生がクラスに呼びかけてくれるケースも少なくない。裸足でシンプルに楽しめる相撲は子どもたちにとって新鮮に感じるらしい。
○…衣笠で経営するちゃんこ料理屋には、横須賀場所の開催を共に切り盛りする青年会議所のメンバーなどの仲間が出入りする。酒を酌み交わしながら「地域の子どもは地域で育てる」をテーマに本気で語り合うこともしばしば。相撲を通じて伝えられることは─。横須賀場所がこれを具現化するための最高の教材になっている。
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