"節電の夏"どう過ごす? 緑のカーテン・すだれ・LED… あの手この手で
東日本大震災に伴う電力不足により政府は、今夏の電力節減基準として「一律マイナス15%」を掲げた。これを受け、市内の事業所・商業施設では、すでに照明や空調の節約で目標達成に向け動いている。加えて、「緑のカーテン」やよしず・すだれの設置による暑さ対策、消費電力が少なくて済むLED照明の活用など、昨年までの取り組みを強化し、地道に節電する動きが広がっている。
市役所と市管轄の施設では、07年に策定した横須賀市環境マネジメントシステム(YES)に基づいて節電を推進する構え。「節電チェックシート」を作成し、職場ごとに対策を練る。
湘南信用金庫(大滝町)では、例年6月からとなっていたクールビズを今月9日から前倒しして実施するなど、企業独自の取組みも見られる。
遮光で7℃減
上町や衣笠の商店街をはじめ、公立小中学校など市内各所で導入され、今年も実施される「緑のカーテン」。ゴーヤやヘチマなどを植え、蔓(つる)をネットに絡ませて日除けにするこの対策も、節電につながる。市の募集に応じて緑のカーテン普及団体となっているあさひ幼稚園(公郷町)では、一昨年から長さ17m、高さ5mの「カーテン」を設置(=写真)。壁面の温度を最大7℃低下させる効果があったという。
同様に室温低減の効果があるのが「よしず」や「すだれ」。タネヤにしむら(大津町)では「例年になくお客様の反応が早い」と、夏を前にした販売の好調さに驚いていた。
先端技術も一役
わずか6〜12Wという消費電力で、蛍光灯並みの明るさが得られるLED照明器具も節電に一役買いそうだ。船越町に本社を置く東芝ライテックは、「今年は夏場の需要増を見越して、生産増強に備えている」と話す。地元横須賀でも、中央の5商店会の街灯ですでに導入されているLED。「震災直後から販売数が微増(市内電器店)」しているなど、改めて注目を浴びている。
一方で、「内窓」と呼ばれる二重サッシも見逃せない。既存の窓に取り付け可能で、商品によっては日光の60%を遮ることができる。市内で内窓を扱う横須賀トーヨー住器(森崎)によれば、今までは主に冬の結露対策として需要があったという。「エコポイントの対象になっていることもあり、制度終了の7月を前に問合せが増えつつある。遮熱効果が知られ、需要につながれば」と同社。徐々に普及してきた先端技術も、この夏の”救世主”となるかもしれない。
啓発セミナーも
あまたある節電の知恵をセミナーで学ぶ手もある。横須賀商工会議所では6月9日(木)午後2時から、中小事業所向けに「節電・省エネ対策セミナー」を実施する。場所は平成町の同会議所。問合せは【電話】046(823)0421まで。また7月8日(金)午後3時からは、ヴェルクよこすか(日の出町)で「家庭の節電セミナー」が実施される。問合せは市環境企画課【電話】046(822)8524まで。
かつてない”節電の夏”をどう過ごすか。個人の意識が大規模停電を防ぐ。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>