「放課後」活用し補習指導 今年度から小学校31校で開始、学習意欲の向上に一役
横須賀市教育委員会では「学力向上推進プラン」の一環として、今年度から「小学校放課後学習ルーム」を設置。非常勤講師「サポートティーチャー」を各校に派遣し、学習支援を行っている。市では、放課後の場所と時間を生かし、基礎学力の定着を図り、さらには不登校児童の支援につなげたいとしている。
この4月から「放課後学習ルーム」を設置しているのは、市内の小学校47校のうち31校。学校の授業についていくことが難しい児童を対象に週1回、補習や個別の支援を行っている。実施曜日や時間・対象学年などは各校の状況に応じて設定され、参加希望者は学校だよりなどで募集。各校でバラつきはあるが、10人前後から30人近くが参加しているという。指導に当たるサポートティーチャーは退職教員など教員免許保有者で、現在19人が現場に赴いている。授業のような形態ではなく、各児童のペースや学習課題に対して担任教諭などと連携し、指導を行っている。
不登校対策も
市の学力向上推進プランは、横須賀市教育振興基本計画の中で今年度から平成33年までの10ヵ年で段階的に設定。放課後などに学校を活用した学びの場作りの検討が行われてきた。これに学習支援の要素を絡め、「放課後学習ルーム」の設置に至ったという。市教育委員会学校教育課では「学習意欲の向上や学習を習慣付けることが狙い」と話す。
これには、学力向上に苦慮する教育現場の現状も垣間見える。市では家庭学習の啓発リーフレットを配布するなど、学校外(家庭)での学習習慣の確立を促している。一方の学校現場では放課後、日々の業務などで教員が補習等の時間を割いたり、個別のケアに力を入れることが難しいといった側面もある。その隙間を埋めるべく進められたのが、今回の学習ルームの試み。また、学習面の遅れが不登校につながっているケースもあり、「学校や授業に対する不安を取り除くきっかけになれば」と市担当者。さらに「学校だけでなく、家庭・サポートティーチャーなど地域の方と連携し、学びを習慣づけることで基礎学力の定着を図りたい」と話している。
今年度の実施は、年間35回を予定。次年度以降は、各校の実施状況を踏まえて検討していくという。
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