伝統の舞 幽玄に 浦賀の虎踊り
西浦賀の為朝(ためとも)神社で11日、例祭が催され、江戸時代から続く奉納舞「虎踊り」が披露された。
踊りの題材は、近松門左衛門の代表作「国性爺合戦」。唐に渡った主人公・和藤内(わとうない)が2頭の虎を退治する場面を、笛や太鼓・お囃子に合わせて演じる。江戸幕府の遠国(おんごく)奉行の一つ、下田奉行所が浦賀に移転した1720(享保五)年に伝わったとされるこの踊り。現在の形になったのは江戸時代末期といい、今日まで地元・浜町町内会が守り続ける伝統芸能だ。04年には野比・中村町の虎踊りと共に、無形の民俗文化財として国から選択を受けている。
和藤内役を務めたのは高坂小5年の浅野慧人(けいと)くん(=写真右)。本番前は「(虎を退治する)最後の場面が難しい。緊張を表に出さないようにしないと」と話していたが、見事に大役を演じきった。2頭の虎は「一本杉」といわれる逆立ちを披露するなど、境内に集まった観衆たちを魅了した。
虎踊りは昨年12月、岩手県釜石市で行われた全国虎舞フェスティバルに出場。今回は「釜石虎舞支援」として、会場で黙祷を捧げたり、義援金を募るなどし、釜石の復興と伝統芸能・虎舞の復活に願いを込めた。
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