被災地へボート寄贈 Topics 「漁業者の生活再建に」
東日本大震災の津波で漁船を失った岩手県大船渡市三陸町越喜来(おきらい)の漁業者に、久里浜ボートクラブのメンバーらが中古船1艇を寄贈した。漁業復興を支援する狙い。今月22日、西浦賀のマリーナヴェラシスで陸揚げされた船はトラックに積まれて、同23日早朝に越喜来崎浜漁港で引き渡された。
大学時代を岩手県で過ごした久里浜ボートクラブのメンバー関直樹さんは、震災直後から知人らの安否確認に気を揉んだ。4月11日、偶然目にしたテレビのニュースで面識のあった越喜来の漁師木下孝之さんが、津波被害を免れた漁船で漁を再開したことを知り、即座に連絡を取った。
「魚たちは海で元気に生きていた。漁師は船があれば喰っていける」。木下さんのこの言葉を受けて、関さんは支援の道を探って奔走。あちこちに声を掛ける中で、同じクラブに所属する小清水佳男さんがボートの寄贈を名乗り出てくれた。
小清水さんは趣味の釣りを楽しむために全長9mの和船を所有していたが、体調不良から手放すことを検討していたところで、「被災地支援につながるなら喜んで」と話は進んだ。
ところが現地までの運搬費が障壁となった。船の陸揚げに運送業者への支払いなどを概算すると経費は30万円。再びクラブメンバーの人脈などを駆使して、協力者を探す活動を始めた。
これに応えてくれたのが長井の原田運送とマリーナヴェラシス。3ヵ月の時間を要して、ようやく出発が叶った。今回の取り組みに、関さんは「多くの人の思いと協力で支援が実現した。漁業者たちの生活再建に少しでも役立てればと」コメントしている。
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