10月29日と30日に市文化会館で「市民盆栽展」を開く横須賀盆栽会会長 野崎 英治さん 池上在住 69歳
表現も楽しさも無限大
○…作る楽しみ、飾る楽しみ、見る楽しみ。盆栽の魅力を尋ねると、この3つを教えてくれた。そう語る朗らかな表情を見ると、もうひとつ、盆栽の魅力を人に伝える楽しさもありそうだ。市民盆栽展では、代表格の黒松や五葉松だけでなく、秋を感じさせる柿など、会員が我が子のように育てた約30点が並ぶ。大自然の風景を1本の木で現したもの、遊び心で山野草を飾り季節感を出したもの…。表現方法は何通りもある。
○…一般的には「定年後の男性の趣味」というイメージがある盆栽。だが、始めたのは20歳の頃だというから驚かされる。きっかけは、父親が菊を育てており植物に触れる機会が多かったことや、高校の恩師が脱サラをして盆栽店を始めたことなどが重なった。菊を選ばなかったのは、「(1年間がサイクルの菊に対して)盆栽は、年々成長する様子を楽しめると思ったからです」と振り返る。
○…現役時代は自動車の製造部門に勤務。忙しい生活リズムに、手入れの時間をやりくりした。3回の水やりを2回にできるよう、水を湿らせたタオルを鉢の上に乗せるなど工夫もした。帰宅するとすぐに盆栽。手間隙をかけた分だけ、多彩な表情を見せてくれる。「周りからは『大変ですね』とよく言われますが、自分でそう思ったら止めたくなります」。”定年”という言葉を好まず、60歳になると仕事はスパッと”卒業”した。自分のやりたい事に没頭できる世界に羽ばたいた。
○…働いていた頃からの習慣で、今も毎朝4時40分に起床。自宅で育てている数十鉢の盆栽の手入れから一日は始まる。他にも趣味が多く、月に1回友人と釣りに出かける。荒崎でのカワハギ釣りが得意だそう。充実した毎日に「時間が足りないくらいです」と微笑む。今後は、最高峰とされる「国風盆栽展」での連続入選更新も目指す。「身体さえ丈夫ならチャレンジしたいです」。謙虚な姿勢の中にも、力強さが漲っていた。
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