来月3日に「シャロームふれあいバザー」を開催する社会福祉法人三育福祉会の理事長 堀 健次郎さん 安浦在住 79歳
「福祉の心」拠り所に
○…広大な東京湾を望める走水の高台。坂の上の特別養護老人ホームに、毎年2000人近い地域住民が上ってくる日がある。それが「シャロームふれあいバザー」だ。地域を巻き込んで地域に還元。バザーの収益金は全て、地元の社会福祉に充て、今年は震災復興にも分配する。回を重ねて、20回目の節目を迎える。「地域の皆さんが交流し、『福祉の心』をあたためて帰って欲しいのです」。その思いは、今も変わらない。
○…福祉の心とは何か。「(施設で働く)こちら側にとっては仕える心、利用者にとっては交わりやすい場所をもつということです」。方法論でも技術論でも経営論でもなく、精神論。この道40年の経験が語る口調は、穏やかではあるが、揺ぎ無い信念を感じさせる。「人間の心を慰めるのは交わりだと思っています」。バザーに献品する人も、ボランティアも、参加する人も、自己目的で動いていない。「ありがたいですね」と感慨深く繰り返す。
○…大和市内の特養から現在のシャロームに移ったのが、今から20数年前。当時は高齢化が叫ばれる走りで、施設も少なかったが、次第にニーズが多様化。家族の援助を受けることが困難な人のためのケアハウスや、障害者支援施設なども「手掛けざるを得なかった」という。今や横須賀では人口が減り、高齢者が増えている。4人に1人が65歳以上だ。”暗雲”が立ち込めているようにすら見える。
○…だが、そこに希望を見出す。「住みやすくなるチャンスです」と断言する理由は、高齢者施設が増える中、技術やビジネスだけでは成長しないと考えるからだ。「ここに福祉の心を注入するのが、先輩である我々の施設の仕事だと思っています」。福祉の心をもったまち、横須賀を仰ぎ見る。そんな自身の心の拠り所は、やはり周囲との交わり。入居者や職員、家族と話をすることが明日への力となる。福祉を体現している人物ならではの言葉だ。
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