歩いて、学んで、心身健康
ガイドによる丁寧な解説で新たな知識を深める
昨今、シニア層にウォーキングブームが到来している。山や海辺といった自然の中だけでなく、街中でも専用のシューズや揃いのウェアに身を包み、こぞって闊歩している。また、横須賀市でも手軽な健康増進案として「ウォーキングから始める健康づくり」と推奨し、関連イベントを実施。ここまで人気を集めている理由とは一体どこにあるのだろうか？
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市内でウォーキングイベントを主催する横須賀ボランティアガイドの会によるツアー参加者は主に60〜70代男女。07〜09年にかけて、団塊の世代が一斉に退職した影響も起因してか、常に定員を超える応募数がある。同会は市民ボランティアガイドによる解説を聞きながら、市内の旧跡や名所を巡る様々なツアーを企画。「横須賀市の新しい発見」をテーマに、季節や話題性に応じて花の名所・史跡・ハイキングなどコースを設定しており、「四季折々、横須賀の違った顔が楽しめる」と毎回好評を博している。
今月12日には、三浦半島を拠点に活躍した中世の武士・三浦一族の足跡を辿るツアーの第１回を開催。75名が参加した。鎌倉道と呼ばれる三浦半島中央部と鎌倉を結ぶ古道を、横須賀から出発して葉山〜逗子〜鎌倉と巡り、全４回で踏破するというシリーズものだ。その途中、街道沿いの三浦一族に縁のある神社仏閣や史跡に立ち寄りガイドを受けるなど、学びながら歩いて大人の遠足を楽しんだ。京急久里浜駅を出発し、新緑が眩しい道をテンポよく歩きながら怒田城跡や諏訪神社、安房口神社、曹源寺などで歴史に触れ、ゴールのＪＲ衣笠駅までの約10Kmを６時間ほどかけて回った。
このように横須賀ならではの山あり谷あり海ありの自然豊かな地形と都心から程近いアクセスの良さが呼び水となり、市外からやってくる人も年々増えているそうだ。
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歩く理由は人それぞれだが、始めた目的として圧倒に多いのが健康維持のため。近所を歩くには景色が同じでちょっと物足りない、どうせ歩くなら義務感なく楽しく大人数で歩きたいと参加するという。そして、同じ目的を持った同世代が集まると自然と交流の輪が広がる。もともと、足腰が弱らないようにとウォーキングを始めた70代女性は「いつの間にか仲間に会うことが参加する楽しみの１つになって、それからはもう数え切れないくらいウォーキングをしている」と大勢で歩くことの魅力を楽しそうに語る。
最初は見ず知らずだった参加者同士の交流を通して、新たな世界を広げようとする前向きな姿勢こそが溌剌と輝く表情や強い足腰の源になっているのだ。手軽さが人気のウォーキングは、体の健康だけでなく、心の健康維持にも一役買っている。
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市内では、他にも多くのウォーキンググループが存在し、各地でイベントが開催されている。これまでには、災害時に帰宅が困難となった場合を想定した訓練式ウォーキングや猿島遺跡探検ツアー、今流行しているポールを手に持ったノルディックウォーキングなど多種多様な広がりを見せている。
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