横須賀市民ミュージカル───1950年代の横須賀 夢と喧騒の「EMクラブ」
終戦後、米兵らの社交場として機能し、ジャズなどの文化の発信拠点となった「EMクラブ」を題材にしたミュージカルが来月18日(土)・19日(日)の両日、横須賀市文化会館で上演される。公募で集まった男女60人の市民キャストが躍動感あふれる演技と踊りを披露する。横須賀市民ミュージカルを作る会(SUKAミュー)と横須賀青年会議所(横須賀JC)の共催。
基地とデモとジャズの街
演題は「Let's sing! Swing! 〜EMクラブ時代を駆け抜けた人たちの物語〜」。復興期の1950年代の汐入周辺を舞台に、脚本家で演出家の横田和弘さん(劇団河童座主宰)が、戦後社会をたくましく生き抜いた人々の姿を描いた。
レストランやダンスホールが入る米軍史上最大の娯楽施設「EMクラブ」を中心に、米兵に群がる靴磨きの少年や花売り娘、娼婦のほか基地周辺で頻繁に見られた反戦デモ隊の抗議運動など、横須賀の一時代の喧騒がストーリーの中に散りばめられている。
舞台では、基地あっての生活に身を置く人と、それに異を唱える人、日本贔屓の米海軍下士官などが登場。複雑な人間模様がコミカルに展開していく。今回は演出として、生バンドによるジャズの演奏も組み込まれており、新たな舞台空間を生み出す試みにも挑戦する。
横田さんは、「陰と陽を抱えた戦後社会の象徴が『EMクラブ』だった。当時の様子を描くにデリケートな部分は多々あるが、あえて挑戦した。大人も子どもも生きることに熱を帯びていたあの時代の空気を伝えたい」と今回の舞台への思いを語った。
靴磨きの少年役を演じる古園彩水さん(大津高校1年生)は、「自分たちの知らない時代の話だが、小学生も交えて当時の状況の理解に努めた。感じた思いを舞台で表現したい」と意気込みを話してくれた。
SUKAミューは、地域にまつわる歴史やエピソードを材に取ったオリジナル劇にこだわっている。毎年夏に公演を行っており、昨年は観音崎や走水神社にまつわる大蛇や河童伝説、弟橘媛の神話を盛り込んだ舞台でおよそ2000人の観衆を集めた。公演ごとにメンバーを召集する独自の方式で、今回は3月に新メンバーを結成。週に2〜3回の稽古を積んできた。
開演時間は18日が午後1時と5時の2回。19日は午後1時のみ。鑑賞チケットは全席自由で当日一般1700円、高校生以下700円。問合せはよこすか市民ミュージカル事務局(横須賀青年会議所事務局内【電話】046・824・1061
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