湘南学院 女子 サッカー部 いざ、決戦の舞台
今年からインターハイ(高校総体)の正式種目に登録された女子サッカー。来月1日(水)から長野県松本市ほかで開催される本大会に湘南学院高校が出場する。先月行われたインターハイ予選となる関東大会で見事1位通過を果たし、全国へと駒を進めた同校。参加16校の頂点、初代女王の栄冠をめざしてチーム一丸となって激戦に挑む。
正式種目登録
インターハイの切符が懸かった大一番。第1回関東高等学校女子サッカー大会(6月2日~4日)では、対日本航空高・本庄第一高・幕張総合高との全3試合を通して8得点1失点と連戦快勝して優勝、実力の差を見せつけた。ここ2年間、夏の関東大会では惜しくも1回戦敗退が続き、全国大会出場を逃していただけに、今回の喜びは大きかった。
現在、女子サッカーの競技人口は年々増加傾向にある。なでしこフィーバーが起こる前からインターハイ種目登録が決まったが、昨今の追い風を受け、満を持しての開催となる。
心技体の充実
湘南学院女子サッカー部は、1987年創立。25年前はこれほどまで「女子サッカー」という種目がまだ世に浸透していなかったが、なでしこジャパンで活躍する近賀ゆかり・矢野喬子選手を輩出した名門校へと成長。現在は30名を超える部員を擁している。佐原2丁目に構える総合グラウンド施設は全面人工芝で夜間照明を完備。そのため部活動が休みになる月曜日を除いて、選手たちは放課後も土日も暗くなるまでボールを追いかけてきた。
同部の指導方針は「高い自主性」にある。チームスポーツながら個々に繰り出す緻密なボールさばきと素早い判断力が要求されるサッカー。個人技術の向上はさることながら、大事な局面で折れないメンタルの強化に力を入れ、心・技・体のバランスを整える。
めざすは16校の頂点
組み合わせ抽選の結果、インターハイ第一試合の相手は東北代表の岩手・水沢高校に決まった。木村みき監督は「初戦をどのように戦って突破するかが今後の鍵になる。まだ、お互いの戦術が手探り状態なので、いかに自分たちのペースへ引き込み、主導権を握って先制点を決めることができるかが大事」と勝機を語る。そこでのゲームメイクのキーマンとなるのは、FWの浦島理紗選手(3年)。「自分が率先して決めるんだという強い思いで1戦1戦しっかりと臨みたい」鋭いドリブルが持ち味で相手陣営に切り込んで虎視眈眈とゴールを狙う。
GKでキャプテンの都倉瑠里選手(3年)は「私たちには関東第一代表のプライドがある。全国の壁は高いが全力でぶつかりたい」と意気込みを見せた。
チームまとめる守備の要
都倉 瑠里さん(3年)
ゴールキーパーの醍醐味はファインセーブした時。際どいシュートほどその快感は大きいが「普段は目立たないポジションですよ」と控えめな発言。しかし、大きな声を張り上げ、前線の仲間に指示を送る姿は一番光っていた。▼「監督の意図を的確に読み取り、チームに還元することが私の役目」普段は冗談を言い合う仲間も練習時だけは例外だ。勝利のために、心を鬼にして厳しい檄を飛ばす。▼PK戦を得意とする。心理戦は緊張しないか尋ねると「その緊張感がめちゃくちゃ楽しいです」と笑う。いつも相手を翻弄させるポーカーフェイスは、その笑顔の裏にあった。▼「ボールへの瞬発力は誰にも負けない。負けたくない」インターハイでの目標は「もちろん0失点」と宣言し、どんな強敵をも迎え撃つ。
小さなエースに大きな期待
浦島 理紗さん(3年)
身長147cmの小柄な身体から繰り出す力強いドリブルと高いキック力で相手チームに切り込む。関東大会では全3試合で得点、チームのエースとしてしっかりと仕事をして見せた▼小学1年生の時、兄の影響で始めたサッカーはいつしか生活のすべてになった。所属していたチーム(武山キッカーズ)では、男子に交じっても遜色ないプレーを披露。“点取り屋”の称号を譲らず、横須賀選抜にも選ばれた▼先ごろ、その地元チームの子どもたちから激励を受ける場面があった。シャイな性格で知られる彼女はハニカミながら「日本一を目指します」と宣言、全力プレーを約束した▼インターハイには背番号10を背負って挑む。それは憧れの先輩である近賀ゆかり選手(なでしこメンバー)が着ていたもの。「10番の責任をしっかり果たします」
都倉 瑠里さん
浦島 理紗さん
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