まちゼミ 商店主の専門知識活かせ 注目の誘客策 実施の動き
商店主が先生役となって買い物客に専門知識やプロの技術を伝授する「まちゼミ」と呼ばれる誘客策が全国の商店街で広まりつつある。自店のスペースなどを使って少人数制の無料ゼミを開講し、店舗のファンづくりをめざすものだ。市内でも地域活性化の糸口として横須賀商工会議所が実施に向けて動き出したほか、中央エリアの商店街でもいち早く取り入れようと戦略を練っている。
無料講座、販売もなし
「まちゼミ」の先駆者は愛知県岡崎市の中心商店街。横須賀商工会議所は今月6日、旗振り役を務めている「岡崎まちゼミの会」の松井洋一郎代表を講師に招いて勉強会を開いた。この日は商店街関係者約60人が参加、関心の高さを示した。
松井氏によると2003年に大型店、ディスカウント店の進出で苦境に立たされた商店主らが対抗策として、自らの得意分野をテーマにした市民講座(ゼミナール)を開講したのがはじまり。それ以前に行っていた集客イベントでは、来街者の増加が来店や売上に繋がらないジレンマに悩まされ、方針転換を試みたという。
「まちゼミ」では、幅広いジャンルの講座を各店が独自に企画して一斉にPRする。1講座は15人以下で実施、時間は60分から90分程度で体験なども織り混ぜる。ファンづくりに徹するため参加費は無料(一部材料費)。販売や勧誘活動もその場では行わないことをルールにしている。
化粧品店では、アンチエイジングをテーマにしたセルフエステの方法を紹介。お茶葉の販売店では美味しい淹れ方を指南するほか、補聴器販売店が高齢者を対象にツイッター講座を開くこともある。岡崎では年に2回のペースで行っており、スタート時は参加10店で199人だった受講者数は今年3月、74店で1800人を数えるまでに拡大した。
現在、全国で30カ所程度の開催事例があり、「ジワリと成果を上げている」と松井氏。横須賀商工会議所では、意欲のある商店主に参加を募り、年度内にも実施する計画だ。初回はエリアにこだわらず市内全域で20店程度を集めるという。
横須賀中央の大滝商店街は、11月をめどに商店街で単独開催する意向。品川哲朗会長は「個店の力を発揮できる。誘客の目玉にしていく」と意気込んでいる。
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