追浜にある無料相談所「道しるべ」で心の相談に応じる僧侶 大島龍隠(りゅうおん)さん 鷹取在住 66歳
話すことで気が晴れる
○…道に迷う人たちの悩みに親身に耳を傾ける。「つらい気持ちを少しでも癒すことができたら」。第2の人生として選んだ僧侶になって13年。自分の寺は持たないが、相談や講演の依頼が次々に舞い込んでくる。「元刑事で坊さんという経歴が興味深いのでしょう」。先ごろから、地元の同級生が開設する無料相談所「道しるべ」の相談員に加わった。「これでもっと多くの人と向き合えます」
○…角の取れた柔和な表情からは想像できないが、刑事時代は”鬼の大島”と呼ばれ、恐れられた。殺人や強盗などの凶悪犯罪が専門。「睡眠時間が10日で7時間なんていうこともありました」というほど勤務は過酷。疲労の蓄積から体調不良に陥り50歳を迎えた頃には、別の生き方を考え始めるようになった。そんな矢先、友人から修行を積めば年齢に関係なく僧侶になれることを聞かされた。事件を通じて多くの遺体と遭遇してきたが、特に胸を痛めたのが遺族の存在だった。「供養も含め、希望の光を与える存在になれたら」。小さく芽生えた思いは日を追うごとに膨らみ、県警を退職した翌日、修行の世界に飛び込んだ。
○…本音の引き出し方は、仕事を通じて身に付けた。間合いや相槌、本題を切り出すタイミング。まさに”聞く力”だ。「不安や苦しみは吐き出すことで気持ちを軽くすることができます」。罪を犯した息子と心中することを考えている、と相談に訪れた母親には、こう言って諭した。「この世に犯罪者がどれだけいるか知っていますか? そんなことで死んでいたら誰もいなくなってしまいますよ」
○…多くの人の悩みの根源には、金銭にまつわる問題も少なくない。「道しるべ」に誘ってくれた相棒は元信金マンで金融のエキスパート。「お金と心」の悩みに、二人三脚で解決の道筋を示していく。
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