明日あさって開催される「のたろんフェア2013」の実行委員長を務める 柏崎 嘉則さん 西逸見町在住 43歳
「妄想」を「現実」に
○…横須賀の市民公益活動団体が集結する「のたろんフェア」。70以上のグループがそれぞれの活動を紹介し、物品販売などを通じて活動資金を集めることを目的としている。福祉も、子育ても、地域の安全も、どんな分野でもボランティアの力は大きい。誰もが住みよい横須賀を実現するには、「無くてはならない存在」と表現する。「市民活動の中で、横須賀を盛り上げたい」。弾ける笑顔で抱負を語る。
○…自身が所属する「よこすか何でもやんべぇ〜会」では、前回盛況だった「猿塩ラーメン」を今年も提供する。地元を盛り上げるために何かやりたい。「妄想会」と名付けた仲間4人の集まりで語り合ったのが始まりだった。長井で水揚げされたシラスのゆで汁をダシに活用し、猿島わかめを燻製にして海塩とあわせた「猿塩」を使用したラーメン。昨年初披露したところ、長蛇の列ができた。妄想は現実になったのだ。
○…多くの福祉団体も参加するフェア。健常者と障がい者の垣根が無い横須賀になってほしいと願いを込める。それは、2歳の時―。柵の無い所から線路に入ってしまった。電車の風圧で飛ばされた小さな体は線路にたたきつけられ、頭と左手を強打。一命を取りとめたが、片方の腕を失った。当時の記憶は無いものの、学校では障がいのために人前で堂々と話すことができなかった。友達ができず、いじめにも遭ったという。
○…そんな少年を変えたのがサッカーだった。片腕でもプレーでき、人とも接する。地域のクラブチームに所属し、指導者にまでなった。振り返って思う。サッカーがあったからこそ今がある。自身の境遇だって話せる。周りにはもっと重度の人や、人生の半ばで抱える中途障がい者もいる。「そうした人たちが、社会に貢献できる場所をつくることが使命だと感じます」。最初は妄想かもしれない。だが、皆でできることから始めれば、いつか現実になる。それをすでに知っている。
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