横須賀市立学校への教員志望者に、採用前に実践的な指導力などを身に付けてもらう「よこすか教師塾」が始まって2年が経過した。昨年度の1期生は22人が正規の教員となり、現場で活躍。この4月からは、新たに13人が教壇に立とうとしている。担当する横須賀市教育研究所では「教師塾での実践的な学びが、学級経営や授業づくりにつながっていると感じている」と、取り組みの成果を話す。
よこすか教師塾には、教員免許をもつ大学生や社会人、県教員採用試験の受験予定者らを対象にした「未来塾」と、臨時的任用職員(臨任)や非常勤講師として働いている人が学ぶ「希望塾」がある。塾生は年間を通して授業づくりや学級経営のポイントなどを学ぶ。
「教師としてのモチベーションが高まりました」と話すのは、「希望塾」出身の1期生、鈴木幸恵(ゆきえ)さん(26)。当時は長井中学校で臨任として働きながら、教師塾に通った。現在は鷹取中学校で正規の教員として勤務している。担当科目は保健体育で、今年度は1年生の学級担任も務めた。
塾では指導主事や校長経験者などが、体験談も交えながら教師像や指導法を伝授する。鈴木さんは「(講師の)先生の教室の入り方から、授業の始め方・終わり方まで全てに引きつけられました」と振り返る。これが、今に活かされているようだ。
授業は、導入でいかに生徒の意識を集中させるかを考え、話すことをまとめて臨む。朝のホームルームでの出欠確認では、生徒の表情を見ながら返事を聞き、体調や気持ちの変化を読み取るという。部活は、自身も学生時代に選手だったバスケットボール部の顧問を務める。部員の林宥斗君(1年)は「(鈴木先生は)あいさつに厳しく、何ごとにも熱い先生です」と話す。
教師が「生き甲斐」
生徒一人ひとりに個性があり、性格も異なる。大人しい生徒に対しても、かまってほしいのか、干渉されたくないのかでコミュニケーションのとり方も変わってくる。「個性の集まりがクラスですが、自分もその個性のひとつだと考えています」と鈴木さん。熱意をもって教壇に立ち、「教師の仕事は生き甲斐です」と語る。今後は、塾で学んだことをお手本にしながらも、「自分なりのカラーも出していきたい。教える側も、もっと学ばなければなりません」と更なる意欲を見せている。
4月からは3期生の募集受付も始まる。来年度は、いじめや不登校といった、横須賀の「今日的な課題」を学ぶ講座も、カリキュラムに盛り込まれている。
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