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学校法人神奈川歯科大学 〜開かれた学校をめざして〜 高齢化で重み増す口腔医療
「地域の人の健康に資する医療人の育成」を掲げる神奈川歯科大学は次年度、新たな体制を構築し、教育の大改革を推し進める。 同じ敷地内に併設していた湘南短期大学を神奈川歯科大学短期大学部として校名変更。医療系の専科大学としてリニューアルし、教育の一体化をより強めていく。学校が目指す方向性や教育方針について佐藤貞雄学長に聞いた。
──医療系大学として4月から新たなスタートを切ります。
平成元年に設立した湘南短大で、この中にあった文化系学科を昨年3月で廃科し、学校法人として組織を一本化します。医療に特化した専科大学として生まれ変わります。大学(歯学部歯学科)と短大(歯科衛生学科、看護学科)は教育・研究を共同歩調で進めていくことになります。
──効率的な学校運営ができるのですね。
もちろん、そうしたメリットはあります。でもそれ以上に重要視しているのが、超高齢化社会の中での歯科医療の役割です。虫歯や歯周病など表面的な治療だけでなく、医療や福祉の分野との連携が不可欠で学校全体として重点的に取り組む必要性を感じています。特に口腔に関して、歯の咬み合わせが健康と密接な関係があることがわかってきました。近年、高齢者施設の入所者が誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなるケースが急増しています。歯周や口腔のケアをおろそかにすることで細菌を吸い込んでしまい発症しているのです。防ぐための手立てのひとつが歯垢を取り除くなどの口腔ケアです。一般の看護学科では習得ができない分野であり、歯科科目をベースとする本学だからこその強みがあります。臨床の場でも口腔の知識はますます重みを増していくでしょう。そうした新しい時代の医療ニーズに即応できる人材の育成。学部や学科を横断して取り組む必要があります。
──それを実現するためのカリキュラム改訂を実行するそうですね。
歯学教育の改革は国も推進しています。でも実際は旧来の因習を打破できず、実現できていないのが現状です。本学では授業や実習の内容を抜本的に変えます。従来の教育システムが現代の若者になじんでいない、私自身そのように感じていました。これまで歯学部では4年次に入れ歯づくりを学んでいました。講義があり試験があるので学生は取り組みますが、受け身になりがちです。新カリキュラムでは、1年次でこれを行います。あごの位置や咬み合わせなど複雑な知識を必要としますので、すぐにはできません。28本で構成されている歯の役割は動物の進化にもつながる話でこうした知識も不可欠です。入れ歯をつくるためには何が必要となるのか? 探究心を刺激して自ら学業に向かう姿勢を後押しするのです。幸いにして就職には困らない状況が続いています。腰を据えてじっくり勉学に励む事ができます。
──開かれた大学づくりも進めています。
学食をオープンにするなどしていますが、歯科大学という性格上、市民の方への認知度があまりないようです。ここは大きな課題としており、本学の機能や果たせる役割をもっと地域に還元していく考えです。医療・看護をテーマにした市民講座に加え、理科好きな子どもが増えるような実験講座なども開いてみたい。横須賀の街の賑わいづくりに、学生の若い力を発揮できるような仕組みも考えたいですね。
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