横須賀市合唱団体連絡協議会(以下合唱連)の副会長を務める 佐々木 義雄さん 平作在住 69歳
天秤掛けて合唱選んだ
○…合唱と管弦楽のための組曲「横須賀」演奏会には今年で30回目の出演。つまり皆勤賞だ。合唱連で他に5人しかいない。本番前でも「普段通りに」とベテランの落ち着きぶりを見せた。合唱連が歌う同曲は、市制75年を記念して市が團氏に委任したもの。「この曲は横須賀の財産。どこで歌っても引けを取らない素晴らしい曲」と自信を見せる。
○…二十歳過ぎに自身が立ち上げた男声合唱団「せみ」の一員として、現在63団体が加盟している合唱連をまとめる。5楽章すべて演奏すると「50分間立ちっぱなし」。さらに毎年盛大な拍手の中アンコールも行われるため、見かけよりもずっと体力勝負だという。高齢化が進む中「(同曲を)歌うことはできるけど、舞台には立てない人もいる」。30年間出演し続けられたのも健康である証拠だ。
○…合唱を好きになったのは久里浜中時代。音楽の先生に「いい声ね」と褒められて有頂天になった。高校卒業後、神奈川男声合唱団に入り本格的な指導を受けたことも「せみ」を立ち上げるきっかけとなった。現役時代、合唱活動の最大の問題は「転勤」だったと振り返る。当時勤めていた日本電信電話公社では「出世コース」と言われていた三重県鈴鹿学園での教官職を断った。県外に出たら4人しかいない「せみ」の活動ができなくなってしまうからだ。「それ位のめり込んでたんですよ」。合唱を通じて出会ったという奥様も隣で大らかな笑みを浮かべる。
○…プロのように技巧を磨くのもいいが、自分たちは「寄せ集め」のアマチュア。しかし「聞く人の心に響く曲なら歌える」。震災後、合唱連として会津若松市を訪れ、合唱で勇気づける活動を続けている。地元の魅力がふんだんに盛り込まれた同曲には人を奮い立たすパワーが宿る。「閉じたままじゃもったいない。この曲を全国に知ってもらう機会はないものか」。歌の魅力はまだまだ尽きない。
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