続く猛暑に明暗分かれる 梅雨明け早く、海水浴盛況
7月の梅雨明けから市内では30度を超える厳しい暑さが続いている。海水浴場には多くの観光客がつめかけ、冷たい飲食物の販売が8月末を迎えても好調だ。一方で立秋を過ぎても暑さはやわらがず、日常生活や農業などに影響を与えている。その状況を取材した。
今夏の猛暑が追い風となり、市内3カ所(猿島、走水、長浜)の海水浴場利用客は前年を上回るとされている。市商業観光課によれば例年、海水浴客は7月末から徐々に増え始めるが、今年は平年より15日ほど早い7月6日に梅雨明けを迎え、その直後から涼を求めて訪れる人が多かったのではと好調の理由を分析している。なかでも猿島への来島者は昨年7月・8月の約5万人を超えるペースで推移し、「5万5千人に達するのではないか」と猿島への定期船を運航する(株)トライアングルの担当者。プールも活況で、ハイランドプールでは今夏の開業初日から多くの家族連れなどで賑わいを見せ、来園者は2万7千人を超える見込み。ナイター営業も8月末まで延長する。
若松町にある横須賀氷業は氷の販売に追われた。「夏祭りのかき氷用のブロック氷やイベントの熱中症対策として発注が相次ぎ、例年のおよそ2割増し」と思わぬ猛暑の需要に喜びをのぞかせる。そのほか、市内の飲食店でも生ビールや冷製メニューの売り上げが軒並み伸びているという。
厳しい暑さに弊害
今月12日、高知県四万十市の気温は41度まで上昇し、国内史上最高を更新。全国的なニュースとなったが、横須賀でも11日に最高気温38・4度を記録するなど高温多湿の日が続いた。そのため熱中症患者も増加。横須賀市消防局のまとめでは6月上旬から8月21日現在、熱中症による救急搬送は135件で、前年同時期の91件を上回っている。9月も30度を超える厳しい残暑日が続くとみられていることから、同局では「引き続き水分と塩分のこまめな補給、温度調節を心掛けてほしい」と呼びかけている。
また、今夏は少雨が顕著だった。西日本や東北地方では局地的な豪雨となり土砂災害や河川の氾濫など甚大な被害をもたらしたが、7月1日から8月21日までの市内観測点の降雨量は約44㎜。同時期の過去5年間の平均降雨量約104㎜と比べて半分以下だった。
連日の日照りと猛暑により畑は干上がり渇水状態となっている。保水力のある土壌を好む夏野菜のナスは、乾燥の影響で果皮の艶や果実の生育に影響を及ぼし、品質が落ちる被害が出ている。観光農園でもみかんの葉がしおれるなどの現象も見られているという。現在、キャベツなどの秋冬野菜の種まきや植え付け作業のピークだが、農協担当者は「極端な高温と乾燥は種の発芽率を低下させ、害虫の発生を促してしまう」と話し、予断を許さない状況が続いている。
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