女子サッカー元日本代表で古巣の「横須賀シーガルズ」のコーチになった 鈴木 智子さん 吉井在住 ３１歳
強いチームを取りもどす
○…チームの復権を託された3人のコーチで唯一の地元出身者。中学時代からの盟友である山本絵美からあるとき相談を持ちかけられた。「シーガルズが体制のチェンジを模索している。私たちが中心となって常勝チームだったあの頃をめざしてみないか」。現役引退後に冷めてしまったサッカー熱がふつふつとわき湧き上がってくるのを感じた。「よし、自分たちの番だ」。二つ返事で引き受けた。
○…サッカー一筋で歩んできた。小学生時代は女子サッカーの黎明期。周囲から「女子はダメ」と言われ
続けたが、シーガルズだけが門戸を開いていた。卒業文集には「プロ選手になる」と記し、将来の活躍にイメージを膨らませた。湘南学院卒業後は道が途絶えかけたが、プロチームに「プレーを見て欲しい」と懇願。強引なアピールでその門をこじ開け、挑戦がチャンスを生むことを経験した。チームの部長から掛けられた「お前、スパイクのサイズいくつだ」の言葉は、忘れられない記憶となった。
○…サッカー選手としてセカンドキャリアの只中にある。コーチを引き受けたが専属でやっていけるほどチームに余裕はない。支援してくれる企業スポンサーの開拓も今後の課題だ。当面の食い扶持として、自宅からすぐの「関東化成」で２交代の工場勤務の仕事をみつけた。来春には婚約者との結婚も控えており、人生の転機を迎えている。
○…シーガルズから将来の日本代表を輩出することが今の夢だ。「サッカー、それ自体は楽しい。でも上手くなることで世界がさらに広がっていくことを知って欲しい」。最近の子どもたちは感情を露わにしないと感じている。「勝負する心を高める意識改革が今のチームに必要です」。失敗と成功をたくさん経験した。ケガにも泣かされた。それを含めてサッカーを通じて伝えられことがたくさんある。
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