横横通行料 値下げはいつ 4月から割引大幅縮小
4月1日より横浜横須賀(横横)道路の通行料の一部が値上げとなった。消費税率の変更や時間帯割引の廃止・縮小に伴うもので、かねてから引き下げを要望していた横須賀市の意向とは反対の結果となった。市は今後も県などと連携し、料金引き下げを強く要望するとしている。
横横道路は首都圏の高速道路のなかでも利用距離に対する料金設定が高額なことで有名。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の外側は1キロあたり24・6円であるのに対し、横横道路は43円。横須賀と首都圏を繋ぐ”大動脈”であるが、物流や観光振興などにおいては三浦半島最大の課題と言われている。
吉田雄人市長は、昨年秋に地元選出の小泉進次郎衆議院議員らと共に通行料引き下げを求める要望書を国に提出。国土交通大臣が「国全体の見直しの中でしっかり念頭に入れて検討したい」と返答していた矢先の値上げとなった。
割引制度は自動料金収受システム(ETC)搭載車を対象に実施している。料金見直しは「消費税率の引き上げに伴う料金の変更」「利便増進計画の終了に伴う料金割引の再編」「料金水準の変更」に基づいたもの。増税に加え、平成20年に導入された国の緊急経済対策(利便増進事業)の財源が昨年度末で終了したため、それに伴い時間帯割引が縮小、実質値上げとなった。
時間帯割引は、平日早朝(午前0時〜4時)が5割引から3割引になった以外はすべての平日時間帯で割引なしに。休日は7月1日以降、5割引が終日3割引になるなど各時間帯で大幅に縮小した。市土木部担当者は「増税や国の緊急経済対策の終了は以前からわかっていたこと。やむを得ない」とこぼした。
W値上げで悲鳴
値上げを受け、物流や観光振興、地域経済への影響が懸念されている。市内で関東圏への配送などを請け負い、約50台のトラックを所有する原田運送の原田周二社長は「一般道が空いているときは横横道路を使わないよう調整するが、時間もかかるし限界がある。差額分は会社で負担せざるを得ない」と話した。
市は今後、首都圏3環状道路(首都高速中央環状線、東京外かく環状道路、首都圏中央連絡自動車道)が概ね完成する平成28年度をめどに、国が大都市圏の料金体系の見直しを行うことに合わせ、横横道路の通行料引き下げについても引き続き県などと連携しながら強く要望活動を行う方向だ。横横道路を維持管理するNEXCO東日本は、「国の方針に従い、料金改定後も利用者のニーズや採算性を定期的に検証していく」としている。
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