職業スキル 地域で発揮 市民活動を側面支援
横須賀市立市民活動サポートセンターは、市内の市民団体の活動支援を目的としたプロボノ事業「のたろんプロボノ大作戦」をスタートさせる。運営上の悩みを抱える団体と、職業で培った経験や知識を持つボランティアをマッチングさせる取組みで、課題解決で活動の活性化を図る狙い。現在は来年度の本格実施に向け、登録を募っている。
「プロボノ」って何?
「プロボノ」とは、ラテン語の「Pro Bono Publico(公共善のために)」を意味する言葉。もとは弁護士などが職業上の専門的知識を活かして、市民に無料相談などを行ったことが始まり。寄付や清掃活動など一般的なボランティアとは異なり、様々な職種・分野の専門家が各々のスキルを用いて行うボランティア活動を指す。得意分野を活かし、休日や夜間でも参加できるため、近年では働き盛りの若い社会人が増加、新しい社会貢献の形として浸透している。
意欲のあるボランティアと支援を必要とする団体を橋渡しする中間支援組織も増え、横浜や藤沢地域で実施されているほか、2010年度には神奈川県主催の事業としても行われた。例えば会員数が伸び悩んでいる団体には、コピーライターやウェブデザイナーをマッチング。ウェブページなど広報ツールの作成や改善によって課題を解決、活動の活性化に繋げている。
三浦半島では初となる中間支援事業を始めるのは市民活動サポートセンターを管理運営する「NPO法人YMCAコミュニティサポート」。現在、市内では大小700を超える市民団体が存在。それぞれが資金調達や会員不足など運営における課題を抱えているのが現状だ。改善したくてもノウハウや時間がなく、団体内で解決することが困難なケースを目の当たりにしてきたことが取組む契機となった。今年度の市の市民協働推進補助金を受けている。
企業人の参加促す
20〜30代の社会貢献への関心は高く、2011年内閣府の調査で「社会のために役に立ちたい」と回答した人は約70%。しかし、市のボランティア活動に関するアンケートによれば、ボランティアに参加したことのある若者は384人中42人と少ない。「興味はあるが時間的余裕やきっかけがない」との理由で二の足を踏む人もおり、こうした障壁が少ないのもプロボノの魅力だ。「ウェブの作成やマニュアル整備といった目標とする成果物が明確で、週5時間×半年のように活動期間が限定されているので参加しやすい」と事務局担当者は話す。
めざす目標は「三浦半島の市民活動の活性化」と、「現役世代の市民活動促進」。来年度からの本格始動に向けてニーズ調査や説明会を開き、同事業に登録する団体やボランティアを現在募集中。今年9月には講師を招いたシンポジウム、11月には1日限定でプロボノ体験ができるワークショップを実施する。
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