ウインドサーフィンのワールドカップに参戦する 穴山未生(みお)さん 久里浜在住 29歳
世界の風に吹かれて
○…ウインドサーフィンで世界の頂点をめざすプロレディースセイラーだ。7月から始まるワールドカップの全戦フォローを表明、トルクメニスタン、トルコ、フランス、ニューカレドニアを転戦する。「訪れたことのない国ばかりだけど、不安よりも興味が勝る。どんな風が吹くのかなって」。参加種目のスラロームはスピードとタクティクス(戦術)を駆使して順位を競う。これまでは国内での活動が主だったため海外選手との力の差は未知数。「まずは力試しのつもりで」と気負いはない。
○…東京生まれの山梨育ち。海とは無縁の少女時代を過ごしてきたが、高校の修学旅行で訪れた沖縄で海の魅力に開眼。海と密接に関わることができるライフスタイルを夢見て東京海洋大学に進学し、すぐさまウインドサーフィン部の門を叩いた。理想の環境に身を置いたつもりだったが、挫折はすぐにやってきた。ライバル達と凌ぎを削る日々。自然の雄大さを純粋に感じたい、と選んだはずが負担に感じられるようになり、一度身を引いてしまった。
○…価値観や意識を一変させたのが石垣島だった。青い海を縦横無尽に疾走できるウインドの魅力に改めて気づくことができた。「もっと極めたい」との衝動に駆られ、国内屈指のゲレンデとして知られる津久井浜へ。「大学の卒業式を終えたその足でアパート探しにやってきた」。やりたいことが見つかれば愚直に足を前に進めることができる柔軟さが持ち味だ。
○…数年前までは生活費をねん出するためのアルバイト生活に汲々としていたが、現在は選手活動を応援してくれるスポンサーを得て、競技者としてもう一段高みをめざせる環境に身を置く。柔和な表情におっとりとした性格。「勝負向きではないかも」と自己分析するが、動じない心は世界で戦う必須条件。時速60Kmオーバーをたたき出す国内最速女子が、一泡吹かす可能性は充分にある。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>