「試合中は無我夢中で、骨折したときのことは何も覚えていないんです」―。上町在住の奈須川良太君(14/坂本中3年)が、22日に行われた神奈川県民ジュニア相撲大会無差別級の部で57人の頂点に立った。上位3人と共に、8月に行われる全国大会に県代表として出場する。
良太君は174cm、72kgの軽量級。相撲の選手にしては小柄な体格だ。130kg超えの巨漢も揃う無差別級。フットワークの軽さを武器に順調に勝ち進んだが、決勝の相手は自分より20kg重い、自他ともに認める因縁のライバル。小5からの一度も勝ったことのない相手だけに「勝てるかどうか自分でも半信半疑だった」と大一番を振り返る。試合は、連続の張り手を顔に受け鼻血が出るほどの熱戦に。互いにまわしを掴み合い、土俵際の競り合いとなるが「とにかく何も考えず」力の限り寄り倒した。「初めてライバルに勝った」。喜びも束の間、土俵から降りると右手人差し指に激痛が。同日に行われた軽量級の部は棄権。「両方の部で優勝するのが目標だった」と残念な顔を見せるが、「早く指を治して全国大会では力を出し切りたい」と切り替えている。
大柄選手に負けない
小3で相撲に出会い、稽古が厳しいことで知られる川崎の相撲クラブへ。大学の相撲部と合同で稽古をすることもあるという。朝の走り込みや、1日200回の四股踏みも忘れない。左右の動きを活かした攻めが持ち味だが、大柄の相手にまわしを取られ「吊り上げ」られたら一巻の終わりだという。今までの相撲人生でも、組み方を誤り、体ごと持ち上げられるという恐怖と屈辱を何度も感じた。その分、「自分より大柄の選手を倒したときが一番楽しい」。将来の夢はまだ決まっていないが、全国大会では「できることを精一杯やるだけ」と意気込みを見せた。
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