猿島 全面復旧で明日海開き ルール明文化し安全性向上
昨日から営業が始まった走水海岸を皮切りに、明日12日(土)には猿島と長浜も海開きを迎える。猿島は昨夏発生した火災の教訓を活かした新たな安全策を講じ、バーベキューなどの営業を約1年ぶりに再開。近隣自治体では海の健全化に向けた規制が強まるなど、動向にあわせた海水浴場づくりがなされている。
明日海開きをする猿島公園は、年間約11万人が訪れる人気の観光スポット。昨年8月末に物販棟や管理棟などを焼失する火災が発生して以来、復旧工事のため休止していたレストハウスとバーベキューの営業を明日から再開する。横須賀市公園管理課と島の管理運営を委託されている(株)トライアングルは防火管理体制を徹底し、再発防止のための新たな対策を講じる。
まず、火気取扱いの一元化のため、利用者の島内へのコンロ類・燃料(炭やガス)の持ち込みを禁止する。レストハウスでのレンタル品以外の使用を不可とし、これまで個人に任せていた火気管理を公園スタッフが運搬から最終処理まで全て請け負う。また、消火の際に使用する水槽を新設。炭を水没させ中心部まで完全消火を図る。そのほか、初期消火を行う自衛消防隊をスタッフで組織。中央消防署などと連携した定期的な消防訓練の実施や、閉園時の見回りを強化する。
逗子海岸の余波は
先月27日、関東一早い海開きを行った逗子海水浴場では近年、大音量で流す音楽による騒音問題や利用者間のトラブルが多発。問題視した逗子市は、今夏から海の家の”クラブ化”防止のため、砂浜での飲酒・スピーカーなどの拡声機器の使用・入れ墨やタトゥーの露出を禁止。海の家の営業時間も午後6時半までとする海の健全化に向けた厳しい条例を制定した。この余波で規制の緩い近隣の海に、音楽イベントを求める客が流れてくるのではと心配する声も上がっている。
都市公園である猿島は市長の許可のない興業や撮影、集会などは条例によって禁止されている公共施設。しかし、一昨年までは無断でスピーカーを設置し、大音量の音楽を流しながら飲食物を提供する有料イベントが相次ぎ、一般客から「うるさい」「怖い」といった苦情が寄せられていた。市は昨年、取り締まりを強化。「他の公園利用者の迷惑となる音量を流すこと」「大音量を流すための音響機器を設置・使用すること」を禁止事項に明文化したことで昨夏は大きなトラブルはなかったことを挙げ、「逗子の影響もほぼない」と見ている。
走水と長浜海水浴場も海の家の営業が午後5時までと定められており「クラブ化する要素は極めて少ない」と市担当者。各海水浴場組合が注視し、安心して誰もが楽しめる海をめざす。
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